米AIG:政府が300億ドル追加注入-米企業史最悪の赤字を記録

米当局は2日、同国の保険大手 アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大300 億ドル(約2兆9100億円)の追加資本を注入する計画を発表した。 融資の条件も変更しAIGの負担を軽減する。AIGが同日発表し た2008年10-12月(第4四半期)決算は米企業として過去最悪の 赤字だった。

AIGによると、第4四半期の損失は617億ドルと、前年同期 の52億9000万ドルから拡大した

新たな合意は米政府の関与を深め、結果的に納税者の負担を増 大させる可能性がある。財務省とFRBは共同声明で、「AIGが 現在の脆弱(ぜいじゃく)な市場に対してもたらし得るシステミッ クリスクを考えると、政府が行動しなかった場合に生じ得る景気と 米納税者へのリスクは極度に高い」との見解を示した。

昨年9月に始まった米政府によるAIG救済は同年中に1500 億ドル規模に膨らんだ。同社は子会社売却が進展せず、追加支援を 求めるに至った。米当局は声明で、金融市場が改善しない場合、A IGへの一段の支援が必要となる可能性に言及した。

この日の発表によると、AIGは昨年12月31日時点で約389 億ドルに上っていた政府からの融資の一部を、同社の国際生保事業 のうち最大の2部門を引き渡すことによって返済する。リリースに よると、AIGはニューヨーク連銀、またはニューヨーク連銀を受 益者とした信託に対し、アメリカン・ライフ・インシュアランス・ カンパニー(ALICO)とアメリカン・インターナショナル・ア シュアランス・カンパニー(AIA)の優先証券を提供し、最大 260億ドルの優先担保借り入れ残高を削減する。政府は生保契約か らのキャッシュフローを受け取る権利も得る。

非累積優先株に転換

米政府はAIG向け融資の金利を引き下げることで合意。また、 米政府が先に取得した優先株400億ドル相当を「普通株に近い」非 累積優先株に転換することでも合意した。優先株では支払われなか った配当は累積していくが、「非累積」優先株ではこれがない。A IGの優先株の固定配当率は10%。普通株の配当はゼロとなってい る。

ニューヨーク時間午前9時49分(日本時間午後11時49分) 現在、AIG株は前週末比7セント高の49セント。

同社発表によると、AIGは第4四半期に、クレジット・デフ ォルト・スワップ(CDS)や商業用不動産ローン担保証券などの 評価額を259億ドル引き下げた。政府からの融資の返済コストは約 69億ドル。税関連で210億ドルの特別費用も計上した。通期の赤字 は993億ドルとなった。07年は62億ドルの黒字。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の上級 インデックスアナリスト、ハワード・シルバブラット氏によれば、 米企業の四半期赤字でこれまで最大だったのは、AOLタイムワー ナーが02年10-12月期に計上した449億ドル。

AIGはまた、法人向け損害保険部門を分離する計画を示し、 同部門の株式を公開する可能性もあることを明らかにした。米政府 による当初の救済後には同事業を核に再建を目指す方針だったが、 分離後はAIGから名称を変更する可能性があるという。

AIGは格下げを回避する方向での救済策再編に向けて過去1 週間、米当局と協議してきた。格下げはCDS関連のコストをさら に増大させる。S&Pはこの日、米金融当局と財務省による「資金 援助が継続する」との見通しからAIGの格付け見直しを終了し、 据え置きを決めた。

米上院銀行委員会は5日に、AIG救済と政府の関与について 公聴会を予定している。

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