EU:東欧向け金融支援を拒否-自動車救済も各国に委ねる(2)

欧州連合(EU)は1日開いた首 脳会議で、ハンガリーが提案した東欧諸国向けの包括的な金融支援策 を拒否した。また、自動車メーカー救済のためEU予算から資金拠出 する案も認めず、各国政府に委ねる方針を示した。景気下降が深刻化 するなか、ドイツが表明した財政赤字をめぐる懸念に屈した格好だ。

EU首脳会議は、ハンガリーが要請した東欧向けの1800億ユー ロ(約22兆2000億円)の融資を拒否。米自動車最大手ゼネラル・ モーターズ(GM)欧州子会社などメーカー各社は、各国政府に支援 を求めるべきとの立場で一致した。

ドイツのメルケル首相はこの日記者団に対し、「私は莫大(ばく だい)な数字を議論することに反対するよう忠告したい」と述べ、 「状況は各国で非常に異なっている。スロベニアやスロバキアはどち らもハンガリーと比較することはできない」と説明した。

戦後最悪の経済危機は東欧経済にも壊滅的な影響を及ぼしており、 市場統合を欧大陸全体に拡大するEUの目標達成を危うくしている。

EUの執行機関、欧州委員会は、EUの17兆ドル規模の経済が 2009年に1.8%のマイナス成長になると予測。わずか3年前に旧ソ 連諸国のなかで目覚しい成長率を誇っていたラトビアは6.9%のマイ ナス成長に落ち込み、東欧最大のポーランド経済は02年以降で最も 低い2%への成長減速が予想されている。

通貨の下落

自国での損失を補てんしようとする投資家らが東欧から資金を引 き揚げたため、東欧の各国通貨はユーロに対して急落。過去6カ月で ポーランド・ズロチは28%、ハンガリー・フォリントは21%、ルー マニア・レイは18%、チェコ・コルナは12%、それぞれ下落した。

EUに加盟する中・東欧9カ国は1日、EU首脳会議に先立ち首 脳会合を開催。西欧諸国が欧州を二分する新たな壁を築くことに警告 を発した。

ポーランドのトゥスク首相は「われわれは皆、欧州が保護主義の 誘惑を避けることを望んでいる」と表明。一方、メルケル首相は、東 欧向け支援は国際通貨基金(IMF)などの国際機関を通じて行う必 要があると指摘した。

世界銀行と欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EI B)の3行は先月27日、東欧諸国の金融機関向けに最大245億ユー ロを融資すると発表している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE