米雇用統計大幅悪化でドル高・円安基調に変調も―東海東京証券・二瓶氏

今週の外国為替市場では6日発表 の米雇用統計が最大の注目となるが、東海東京証券金融市場部の二瓶 洋トレーディンググループマネージャーは雇用の大幅悪化が見込まれ るなか、2月中旬から続いているドル高・円安基調が変調をきたす可 能性があるとみている。

二瓶氏は、ドル・円相場について、「1ドル=98円90銭付近の フィボナッチ・ポイント(昨年8月から今年1月のドル安・円高局面 の半値戻し)が注目されているが、同水準の上抜けに失敗すると、調 整の円高をどこかでみにいくことになる」と予想。「3月は日本のレ パトリエーション(自国への資金回帰)も始まるので、米雇用統計を 境に多少の円高も覚悟しなければならなくなる」と指摘する。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 2月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比65万人減と1949 年以来で最大の落ち込みを記録する見通し。失業率も7.9%に悪化す る見込みで、景気悪化に伴う雇用減少の深刻化が改めて浮き彫りとな りそうだ。

二瓶氏は、「過去の統計と見ると、連銀などが発表する地区ごと の製造業景況指数の雇用指数が下振れしている場合、もしくは週間の 新規失業保険申請件数が高水準を維持している場合、翌月の雇用統計 の非農業部門雇用者数は芳しくない。2月はこうしたパターンが顕著 に表れているので、今回の雇用統計はかなり悪い可能性がある」と語 る。

ニューヨーク連銀が発表した2月の同地区製造業景況指数の雇用 指数はマイナス39.1と前月から10ポイント以上低下した。また、2 月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数の雇用指数は68年の統計 集計開始以来の最低を記録。シカゴ購買部協会が先週末発表した2月 の同地区製造業景況指数の雇用指数は過去7年で最低水準となった。

一方、米労働省が先週発表した21日に終わった1週間の新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は、前週比3万6000人増の66万7000 件と82年10月以来の最高となった。また、14日に終わった1週間の 失業保険継続受給者数は67年の統計開始以来の最高水準に達した。

ドル高・円安基調に変化も

先週の外国為替市場では一時、1ドル=98円71銭と昨年11月10 日以来の水準までドル高・円安が進行。世界的な景気悪化を背景に米 国への資金還流が続いた一方、日本の経済指標の下振れや政治の混迷 などを手掛かりに円の買い持ち高の解消が進んだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタ イル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、2月24日時点の ドル・円先物取引非商業部門の円ポジションの買い越し幅が2万8635 枚と昨年11月中旬以来の水準まで縮小。その後も買い持ち高の解消は 一段と進んでいる可能性が高く、持ち高調整に伴う円売り余力は低下 しつつある。

二瓶氏は、全般的にドルの堅調地合いが続いているが、今週は雇 用統計など米国の経済指標の発表が相次ぐため、ドル高の「調整週」 となる可能性が高いと予想。ドル・円については「ドル高一辺倒で100 円を試すというよりも、95円から100円程度でのもみ合いになる」と みている。

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