東京外為:円が3カ月半ぶり安値圏から反発、悪材料織り込み-97円前半

午前の東京外国為替市場では円が 対ドルで約3カ月半ぶり安値付近から反発した。日本経済の大幅悪化 や政治の混迷を背景に円安の流れが続いていたが、日本の悪材料につ いては織り込みが進んだとの見方もあり、週末を前に円の下落は一服 となった。

ドル・円は1ドル=98円台半ばから一時、97円32銭まで円が上 昇。ユーロ・円も1ユーロ=125円台半ばから一時、123円74銭まで 円の買い戻しが進んだ。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャーは、 ル・円が99円ちょうど手前の「半値戻し」を超えれば100円台もありえ るが、「輸出企業の円買いなども予想されるため、いったん円の下落も 一服する可能性がある」と指摘。その上で、ここ数週間、日本の悪材料 の織り込みが急速に進んだが、一方では欧米指標も悪化を続けており、 「日米欧3極の悪材料が綱引きし、一方向の動きにはならないというの が基本的な考え」としている。

一方、朝方発表された国内指標は予想対比で強弱まちまちの内容と なった。1月の完全失業率は4.1%と前月から予想に反して低下し、消 費者物価指数(生鮮食品を除いたコア指数)はマイナス予想に対して前 年比横ばいとなった。

半面、1月の消費支出の減少幅(前年同月比5.9%)はエコノミ スト予想を上回り、鉱工業生産指数は予想通りながら前月比10%減と 3カ月連続で過去最大の下落率を更新した。

全体的には日本経済の厳しさを示す内容だったが、市場では「日 本経済の弱さはここ2週間で市場価格に急ピッチで織り込まれている ので、指標発表後は逆に利食いの円買いも出やすい」(三菱UFJ信 託銀・井上氏)との指摘が聞かれた。

円安が一服

日本経済や政治に対する不安を背景に円売りの流れが続くなか、今 週は対ドルで5円以上円安が進行し、26日の海外市場で一時、98円71 銭と昨年11月10日以来の円安値を記録。対ユーロでも週初の119円台 から一時、1月8日以来となる126円8銭まで円売りが進んだ。

ドル・円は昨年昨年8月から今年1月のドル安・円高局面の半値戻 し(98円90銭付近)をほぼ達成。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外 国為替部の伊庭剛バイスプレジデントは、テクニカル的にもいったん達 成感が出やすいなか、今週はほぼ一本調子でドル高・円安が進んだだけ に、目先は「99円から100円を意識しつつ、利食い(利益を確定するた めのドル売り・円買い)などが出やすい」と指摘していた。

ドルの反落リスク

一方、米国では26日発表の1月の新築一戸建て住宅販売が1963年 の統計開始以来の最低水準に落ち込んだほか、先週1週間の新規失業保 険申請件数が82年10月以来の最高となるなど、経済指標の悪化が続い ている。

また、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によ れば、この日発表される昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は 前期比年率5.4%減と速報(3.8%減)から下方修正され、26年で最悪の 水準になる見通し。シカゴ購買部協会が発表する2月の同地区製造業景 況指数は82年3月以来の低水準となった1月(33.3)からさらに低下し たもようだ。

三菱UFJ信託銀の井上氏は、ドルが堅調に推移する一方、米国株 の下落は止まっておらず、金融機関や自動車大手の経営破たん懸念も払 しょくされないなか、今後はドルの反落リスクも警戒されると指摘。「特 に来週はISM(米供給管理協会)景況指数や雇用統計と最新の米経済 指標を知る材料が出てくるので、ドル安への警戒を強めた方がいい」と 語る。

--共同取材 曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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