日本株は反発、円安と生産底入れの兆し受け電機や鉄鋼高い-銀行重し

午前の東京株式相場は小幅反発。 外国為替相場が直近の円安水準で依然推移しているほか、製造業の生産 調整に底入れの兆しが出てきたこともあり、キヤノンやファナックなど 電機株、オリンパスなど精密機器株の一角が上昇。新日本製鉄など鉄鋼 株も買われた。NTTデータなど情報・通信株の堅調さも目立つ。

一方、世界的な金融不安や信用コスト増加などに関する根強い業績 警戒感を背景に、みずほフィナンシャルグループなど銀行株、オリック スナなどその他金融株、住友不動産など不動産株が安い。

日経平均株価の午前終値は前日比53円27銭(0.7%)高の7511 円20銭、TOPIXは同4.17ポイント(0.6%)高の746.70。東証 1部の出来高は概算で8億292万株、売買代金は5106億円、上昇銘柄 数は712、下落銘柄が799。

みずほ投信投資顧問の有村秀夫シニアファンドマネジャーは、「円 安をきっかけに時価総額の大きい主要輸出関連株を買い戻す流れにあ る」と指摘。また、朝方発表された鉱工業生産統計で先行きの予測調査 が底入れを示唆する内容となったことを受け、「極度に落ち込んだ生産 がひとまず快方に向かうと期待され、鉄鋼など素材株の一角にも資金が 向かった」と話している。

午前中ごろまで日経平均、TOPIXはともに前日終値近辺で小動 きだったが、指数は徐々に値を切り上げた。市場では、「欧米の経済や 金融問題の悪化が続いているため、積極的な取引参加者が不在の状況」 (大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部の西村由美次長)と の声が聞かれた。

東京外国為替市場では、ドル・円が朝方に一時1ドル=98円台半 ばと約3カ月半ぶりの円安水準まで動いた。一方、1月の鉱工業生産指 数が前月比10.0%低下し、下落率は3カ月連続で過去最大を更新。同 時に示された2月の製造工業生産予測指数は前月比8.3%低下、3月は

2.8%上昇となった。

輸出採算の改善や生産の持ち直しで収益の落ち込み幅が縮小すると の期待から、ファナック、キヤノン、HOYA、オリンパス、テルモな ど電機、精密機器株に資金が向かい、鉄鋼株ではJFEホールディング スが5%超上げた。

情報・通信や小売、資源も堅調

国内鉱工業生産に明るい兆しが見られたことで、内需株に買いが広 がった。ヤフーやNTTデータなど情報・通信、セブン&アイ・ホール ディングスやファーストリテイリングなど小売株が買われ、三井倉庫や 近鉄エクスプレスなど倉庫・運輸、王子製紙などパルプ・紙株も高い。

7&iについては、傘下の百貨店そごうの旗艦店舗であるそごう心 斎橋本店(大阪市)をJ.フロントリテイリング傘下の大丸に売却する ことを決めたと発表する材料もあった。NTTデータは、業績の堅調さ を評価して三菱UFJ証券が最上位の投資判断「1(強いアウトパフォ ーム)」を26日付で確認している。

ニューヨーク原油先物相場が続伸し、約1カ月ぶりの高値を記録。 収益押し上げ期待を背景に国際石油開発帝石、コスモ石油、昭和シェル 石油など資源関連株も総じて堅調。このほか、ドイツ証券が投資判断を 「売り」から「ホールド」に上げたシチズンホールディングスが高い。

医薬品の一角安い、福田組と栗田工が急落

半面、第一三共、塩野義製薬など医薬品株の一角が安い。オバマ米 大統領医療保険会社へのメディケア(高齢者向け医療保険制度)関連の 支払いを削減するとの懸念が広がり、前日の米株市場ではS&P500種 ヘルスケア株指数が5.1%安と急落、この流れがマイナスに働いた。第 一三共には、みずほ証券が投資判断を引き下げる個別の悪材料もあった。

従業員の早期退職に伴う特別加算金の追加で、2008年12月期の 連結最終損失額が膨らむ福田組、顧客の設備投資の凍結や延期の影響で 09年3月期業績予想を下方修正した栗田工業も急落。09年3月期末の 配当をゼロにすると発表した住友重機械工業、来期減配の可能性が分か ったクボタも安い。

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