米大手金融機関が相次ぎ撤退、NYのオフィス市場は今年過去最悪か

ニューヨークの大手銀行と証券会 社が今年手放すオフィス・スペースは、800万平方フィート(約74万 平方メートル)に上る可能性がある。金融機関による不動産処分が過去 最大を記録し、商業用不動産市場は10年余りで最悪となるなか、事態 はさらに深刻化しそうだ。

商業用不動産ブローカー最大手のCBリチャード・エリス・グル ープによると、JPモルガン・チェースとシティグループ、経営破たん したリーマン・ブラザーズ・ホールディングスといった金融機関がこれ までに撤退したオフィス・スペースは460万平方フィート。不要スペ ースからの退去や転貸に伴い、さらに400万平方フィート増える可能 性がある。

銀行や証券会社、保険会社はリセッション(景気後退)や信用危 機による財務悪化に対応し、これまでに米州で17万7000人強の従業 員を解雇した。CBリチャード・エリスのデータによれば、金融機関は マンハッタンのオフィス・スペース(3億6200万平方フィート)の約 25%を占有している。現在転貸可能な物件の40%近くが金融機関のオ フィスだという。

CBリチャード・エリスによると、利用可能なスペースの割合は 年末までには15.6%と、1996年以来の高水準に達する可能性がある。 空室率はすでに2004年以来の高水準。03年には転貸可能なオフィ ス・スペースが1480万平方フィートあったが、金融機関がCBリチャ ード・エリスの予測と同程度のスペースを手放せば、この記録は更新さ れそうだ。

CBリチャード・エリスの数値には、メリルリンチが占有してい るマンハッタン南部のワールド・ファイナンシャル・センターのスペー ス280万平方フィートは含まれていないが、メリルを先月買収したバ ンク・オブ・アメリカ(BOA)はこれを手放す可能性もある。不動産 ブローカー、クレサパートナーズ幹部のロバート・ステラ氏は、メリル のオフィスが「今、ワイルドカードだ」と指摘した。

マンハッタンの利用可能なオフィス・スペース(現在空室と入居 中ながら市場に出ている分の合計)の割合は1月末時点で12.3%と、 1年前に比べて50%強上昇した。前月比では約9%の上昇だった。ニ ューヨークで利用可能なオフィスの割合は、前回の商業用不動産市場の 不況が終わりに向かっていた1992年10-12月(第4四半期)の18% がこれまでのピークで、3億3200万平方フィートの市場に対し約 6000万平方フィートが利用可能だった。

マンハッタンで現在利用可能なオフィス・スペースは4500万平方 フィートだが、最近の人員削減予想に基づくCBリチャード・エリスの 予測では、年末までにさらに1560万平方フィート(全体の4.3%)が 空室となり、1992年の記録を脅かす可能性がある。

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