米メリル:日本企業の調査業務拡大、ライバル縮小の中でも「重視」(3)

米銀最大手バンク・オブ・アメリカ (BOA)傘下の米証券メリルリンチが日本株式の調査業務を強化する 方針が明らかになった。米ゴールドマン・サックスなど外資他社が同業 務を縮小する中、アナリストを順次採用し、カバー企業を6月までに10% 増の330に拡大する。世界的な株安の中でも日本市場を重視する。

メリル日本証券の長手洋平調査部長(41)は26日、「他社が調査部 門を縮小する中、日本株でのプレゼンスを高めてアドバンテージを取り たい」と述べ、証券、ノンバンク、自動車部品などもカバーする計画を 示した。新たに採用した元ドイツ証券の北見雅昭アナリストは16日から サービス分野の調査を開始。アナリストは合計で23人となった。

米本社のグローバル責任者が「強化を指示」

世界株安で日本株も大幅に下げる中、米シティグループ傘下の日興 シティグループ証券が昨秋に16人のアナリストらを削減し約40銘柄の カバーを停止し、ゴールドマンやドイツ証券も縮小。しかし、こうした 中でメリル日本の経営執行委員会メンバーでもある長手氏は、「売買手 数料増加などに向け外資系で日本のトップを目指す」と述べた。

メリルは米本社マーケット・リサーチ部門のグローバル責任者で過 去にゴールドマン日本法人の共同社長も務めたトーマス・モンタグ氏の 指示の下、昨年12月にこうした日本株調査部門などの強化計画を打ち出 した。調査能力の強化は、株式委託手数料を増やすだけでなく投資銀行 業務の拡大にも貢献する。

業界再編などに着目

長手氏は今後カバーを開始する分野について、「証券は引き続き再 編が起こるセクターであり、ノンバンクは生き残り戦略への注目度が高 い」と指摘。自動車部品については「自動メーカーの生産調整が止まっ た後にマーケットから注目を集めるだろう」とみる。生き残りや復活に 向けた業界再編などに着目したセクターのカバーとなる。

明治ドレスナー・アセットマネジメントの笠谷亘氏は、「競合する 外資銀行が中国やインドにフォーカスする中、メリルの動きは意外だ。 しかし、こうした状況下でパイを取りに行き外資でプレゼンスを得るチ ャンスでもある」と評価。BOAは経営難にありコストのかかる株式調 査業務を日本で縮小すると考えていただけに「大変驚きだ」という。

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