09年度予算が衆院通過・年度内成立へ-「麻生降ろし」加速も(2)

2009年度予算案が27日の衆院本会 議で与党の賛成多数で可決された。支持率低迷にあえぐ麻生太郎首相 は、最大の懸案だった予算の年度内成立にめどをつけたが、秋までに 行われる総選挙をにらみ自民党内で公然化している「麻生降ろし」の動 きが加速する可能性もあり、首相は政権の求心力維持に苦慮しそうだ。

予算案の一般会計総額は前年度当初比6.6%増の88兆5480億 円と過去最大規模。うち、政策的経費となる一般歳出は同9.4%増の 51兆7310億円に上っている。予算は憲法の規定で27日に衆院で可 決すれば、仮に参院での審議が長引いても30日後の3月29日に自然 成立する。

報道各社の世論調査で10%台前半に低迷している麻生政権に対 し、自民党内では首相の盟友だった中川昭一前財務・金融相がろれつ の回らない状態で記者会見を行い、辞任に追い込まれたことをきっかけ に総選挙前の首相退陣を求める声が公然化。政権維持になお意欲を見 せる麻生首相がこうした「麻生降ろし」の動きを跳ね返せるかどうかが政 局の焦点となる。

政治アナリストの伊藤惇夫氏は「衆院が通過して30日で自然成立と なるが、関連法案で民主党の出方が固まっていない。本格的な麻生降 ろしの動きは少しずつ解禁に向かって動き、予算成立をもって封印が解 けたということになるだろう」と見ている。

民主党の小沢一郎代表は27日午後に行った横浜市内での記者会 見で、麻生内閣について「不信任、問責に値する内閣の体たらくだと思 っているし、7、8割の国民が『麻生さん辞めろ』と言ってるのだから正に そういう状態だ」と述べ、政権末期の状況にあるとの認識を明らかにし た。

首相は26日夜、首相官邸で記者団に対し、09年度予算案が27 日に衆院を通過する見通しとなったことについて「少なくとも年度内に予 算が仕上がる確率が高くなったということで、大変喜ばしいことだ」と歓 迎する考えを示した。反麻生の動きが加速するとの見方については、 「まだ参院もあるし、関連法案も残っているので、わたしとしてはその成 立に全力を挙げるということだ」と述べるにとどめた。

麻生氏と距離を置く勢力のリーダー的存在と目される中川秀直元幹 事長は23日付の自身のブログで、内閣支持率が「歴史的低水準」にあ ることについて、「その意味は、民意から不信任を突きつけられたのと同 義であることを示している」と指摘。その上で、「毎日(新聞の)調査によ れば、予算成立まで続投が54%となっているから、そこまでは、留保期 間との意味」と分析している。

こうした動きに対し、麻生首相は26日午前の衆院予算委員会で、 「解散というのは総理大臣の専権事項だ。しかるべき時期を見てわたし が解散を決めさせていただく」と述べ、自らの手で総選挙を行う方針に 変わりがないことを強調した。

「麻生降ろし」は止まらないのか、それとも首相自身が解散に踏み切 るのか。首相の盟友とされる甘利明行政改革担当相は記者会見などで 内閣改造も「選択肢の一つ」と提唱。歴代首相が政権浮揚を狙って内閣 改造を断行する例はこれまでにもあるが、約1年の短命に終わった福田 康夫、安倍晋三両政権では内閣改造後、わずか1カ月で首相が退陣を 表明する結果に終わっている。

内閣改造には首相自身は訪米中の25日未明(日本時間)、ワシント ンで記者団に「今のところ考えていない」と否定的な見解を示している。

--共同取材:坂巻幸子、関口陶子、下土井京子Editor: Hitoshi Sugimoto, Kenshiro Okimoto

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