1月のコア消費者物価は前年比横ばい-夏場にマイナス2%台の見方も

【記者:日高 正裕】

2月27日(ブルームバーグ):1月の全国の消費者物価指数(除く生 鮮食品、コアCPI)は、エネルギー・原材料価格が下落基調にあるこ とに加え、景気の大幅かつ急激な悪化を受けて、前年比横ばいとなった。 マイナスに転じるのは時間の問題とみられており、夏場にかけてマイナ ス幅は2%台に達するとの見方も出ている。

総務省が27日発表した1月の全国コアCPIは前年同月比横ばい だった。前年比の伸び率は昨年7、8月にプラス2.4%まで拡大したが、 わずか5カ月で急速にゼロ%まで縮小した。前月は同0.2%上昇だった。 2月の東京都区部コアCPIは同0.6%上昇と、前月(同0.5%上昇)か ら伸び率が拡大した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値 は全国コアCPIが同0.1%低下、東京都区部コアCPIは同0.3%上昇 だった。

アールビーエス証券の西岡純子チーフエコノミストは統計発表前、 コアCPIは前年同月比0.1%低下を予想した。マイナス転落の背景と して、原材料価格が上昇した「昨年後半の反動」に加え、「急速な経済の 需給悪化により物価下落圧力が強まっている」と指摘。今後はマイナス 幅が拡大し、今年8月には2.0%まで拡大する、としていた。

CPI総合指数は1月の全国が同横ばい、2月の東京都区部は同

0.5%上昇だった。前月はそれぞれ同0.4%上昇、同0.5%上昇だった。 食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」は1月の全 国が同0.2%低下、2月の東京都区部は同0.1%低下だった。前月はそれ ぞれ同横ばい、同0.3%低下だった。

需給ギャップ拡大がCPI押し下げ

昨年10-12月の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率マイ ナス12.7%と、1974年以来約34年ぶりの落ち込みとなった。内閣府に よると、総需要と供給力の乖離(かいり)を示す需給ギャップはマイナ ス4.3%(約20兆円)に広がった。バークレイズ・キャピタル証券の森 田京平チーフエコノミストは「GDPギャップの拡大はマクロ的な需給 を緩めることで、CPIを押し下げる方向に働く」と指摘する。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは「原油・商品市況が 現状水準程度で推移し続けた場合、大幅なデフレギャップによるデフレ 圧力と相まって、夏場の全国コアCPI前年比はマイナス2%を超える 可能性が高い」と指摘する。7月に1バレル=147ドルと最高値を付け た原油相場は足元で、同40ドル台で推移している。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「需給ギャッ プの大幅悪化を背景に、1%を超えるマイナスのインフレ率が定着する ことになるだろう」と指摘。原油価格が今後、同40ドルで推移すると仮 定すると、「コアCPI前年比は2009年度がマイナス1.9%、10年度は マイナス1.3%となる」と予想する。

デフレスパイラルの危険も

河野氏は「09年度後半も日本経済がマイナス成長を脱することがで きなければ、10年3月期決算でも赤字企業が続出し、企業にとって深刻 な存続問題を意味する2年連続赤字となる企業も増えるとみられる」と 指摘。「存続問題に直面する企業は、採用行動や価格設定行動を大きく変 え、景気と物価が連鎖的に悪化するデフレスパイラルを引き起こす可能 性がある」という。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは「昨年 10-12月に続き、1-3月も年率2けたのマイナス成長が見込まれてい る。追加緩和期待が強まり、それに株安や円高など市場の催促が加わっ ても全く不思議はない」と指摘。日銀は「さらなるターム物金利の引き 下げに追い込まれる公算が大きくなるだろう」としている。

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