米予算教書:金融支援に7500億ドル確保、財政赤字過去最大に(3)

オバマ米大統領は26日、同 政権初の予算教書を議会に提出。医療制度の抜本改革と富裕層260 万人を対象とした1兆ドル近い増税を盛り込んだほか、金融支援と して新たに最大7500億ドル(約73兆9300億円)を拠出する権限 を確保することが柱となっている。

これに基づくと、今会計年度(2009年9月末終了)の歳出額 は過去最大の3兆9400億ドル。前年度から32%の増加となる。歳 出増により、同年度の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに達 し、国内総生産(GDP)に対する比率は第二次世界大戦後で最高 の約12%に上昇する。

10月1日からの2010年度については、3兆5500億ドルの歳 出を計画しており、財政赤字は1兆1700億ドルに縮小すると見込 んでいる。大統領は最初の任期(4年間)終了までに財政赤字を半 減すると公約している。

オバマ大統領は26日、予算教書が公表される前に、「国民を 直ちに支援し、経済を前に進めていくためには、短期的に財政赤字 が拡大するのは必要なことだ。しかしながら、持続的な成長を生み 出し、富を共有するには、長期的に財政の健全性を取り戻すことが 前提になる」と述べた。

大統領はさらに、「予算教書は今の米国の姿、そして米国の 将来を率直に説明したものだ」と述べた。議会の反応は党派で分断 されている。

「大きな政府の時代再来」

ジョン・ベイナー下院共和党院内総務(オハイオ州)は、 「大きな政府の時代が再来した。民主党は納税者にその負担を求め ている」との声明を発表。「政府は課税と歳出、借り入れを経て、 どんどん肥大化していく」と批判した。

一方、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア 州)は、医療制度の拡充と温暖化ガス排出削減計画、富裕層への増 税を賞賛。「未来への青写真が示された。誇りに思う」と述べた。

米行政管理予算局(OMB)のオルザグ局長は記者説明で、 「確かに連邦予算の方向性を変えるのは難しいことだと認識してい る。しかしこれこそ今まさに必要なことだ」と述べ、予算の路線変 更を弁護した。

1兆ドル増税と助成金削減

予算教書に盛り込まれた増税は、夫婦で年間所得25万ドル以上 の世帯を対象としており、10年間で6360億ドルの税収を見込んで いる。対象となる所得層の所得税税率は2011年に36%と39.6%に 引き上げられる。現在の同税率はそれぞれ33%と35%。オバマ政権 はまた、高所得者層に対するキャピタルゲイン(資本利得)や配当 への税率を20%とし、現行15%から引き上げる。

政府予算はメディケア(高齢者向け医療制度)に参加している 保険会社への助成金を1700億ドル減額。SLM(サリーメイ)やシ ティグループなど学資ローン提供者への助成金を廃止する方針を示 した。代わりに、政府が連邦政府保証の学資ローンの唯一の提供者 となる。現在、政府は大学を通じて直接ローンを提供しているほか、 シティやSLMなど民間の貸し手が組成したローンを保証している。

政府の経済予測

予算教書に盛り込まれた政府の経済予測によると、今年の国内 総生産は1.2%の縮小、2010年は平均3.2%のプラス成長に回復す る。これに比べ、超党派の議会予算局(CBO)の予測では2010年 は1.5%のプラス成長となっている。

政府予測では失業率は今年平均8.1%、来年には7.9%に低下 する。インフレ率は今年が0.6%、来年には1.6%に上昇する見通し。

オルザグOMB局長は、金融機関救済のための追加予算を確保 したことについて、「万一のためだ」と説明。「必要にならないこ とを願う」と述べ、「現時点では」この予算の実行承認を議会に正 式に要請する計画はまったくないと明言した。

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