与謝野財務相:株価下支え策を検討の必要ある-共同インタビュー(3)

与謝野馨財務・金融・経済財政担当 相は26日夜、報道各社のグループインタビューに応じ、最近の大幅な株 価下落を受け、「株価は実体経済を反映したもので、人工的に株価操作で きないと思っている」としながらも、株価対策の必要性を指摘するとと もに、自民党に対し具体策の検討を要請したことを明らかにした。

財務相はこの中で、株価について「自然に放置することが普通だ」 とする一方で、「大量の株式が無秩序に放置されることによる悪影響から 防御する必要がある」とも述べ、検討の必要性をあらためて示した。

その上で、「株価を支えることは経済にとって大事だが、方法がどう あるべきかは議論の分かれるところだ」と指摘。公的資金を活用し、市 場から株式を直接購入する方策なども選択肢の1つとして自民党の柳沢 伯夫元金融担当相に具体策の検討を要請したことを明らかにした。

日本の景気後退は輸出の急減速を受けて年明け以降も加速しており、 日経平均株価は今月24日に昨年10月27日につけたバブル後の終値ベー スの最安値(7162 円)を一時下回る水準にまで落ち込んだ。年初来の下 落率は18%に上り、先進各国の中でも落ち込みが際立っている。

与謝野財務相は、世界的に拡大している金融危機への対応について 「金融面では日本銀行の金融政策にお願いしないといけないことがたく さんある」と指摘。財務省・金融庁としても民間金融機関の貸し渋り対 策や政府系金融機関を通じた企業融資などを積極的に行う構えを示した。

財政出動を伴う施策については「予算が通っておらず、財政につい て語ることはできないが、経済をどうするかという、国会や財界の議論 の盛り上がりを見て次なるステップを考える」との考えを示した。その 上で「国民の要望に応えるために判断をする時期が来る」と語った。

追加的な経済対策を検討する場合に効果的な施策については「波及 効果の高さ」を挙げた上で、「社会保障の分野は高いという学説はある。 雇用を創出できるし、まだ需要がある」との見解を示した。公共事業に ついては「将来、花開き、実を結ぶ分野を探さなければならないが、実 際はそう見つからない難題がある」と述べ、消極的な考えを示した。

長期金利市場には消化能力ある

日本をはじめ欧米各国による積極的な財政政策による債券市場への 影響については「日本の場合、金利水準が1.2-1.3%と低く、長期金利 市場は消化能力があると判断してよい」と強調したものの、他国の状況 については「にわかに判断しにくい」と述べるにとどめた。

一方で、景気下支えのための財政政策と財政規律の両立について「概 念的にはできる。財政規律は概念として政府は最も大切にしなければな らない。一方で、目前の経済危機をどうするかは別な話。異常な事態は 通常考えられない手段に対して免罪符を与えると思っている」と語った。

財務省が25日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)で、世界経 済の後退を背景に日本の輸出額が前年比4割強の減少となり、貿易収支 が過去最大の赤字を記録したことについては「最近の数字で最も衝撃的 だった」と指摘。1-3月期の国内総生産(GDP)についても「個別 のインデックスを見れば、かなり厳しいという認識でいる」と語った。

財務相は、24日に行われた日米首脳会談では世界の金融システムの 安定や世界の基軸通貨としてのドルの重要性が主な議題だったとし、「米 国債については一切出ていない。現時点でコメントはない」と述べた。

また、ロンドンで開催される20カ国・地域(G20)財務相会合を3 月中旬に控え、「国際的な経済危機は一国では解決できない。国際協調の 中で日本がどのように責任を果たしていくかに話が尽きる。世界経済の 動向や金融の状況は他人事ではない」と述べ、会合の重要性を強調した。

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