米金融機関への健全性審査:厳格さよりも不安払しょくが狙いか

オバマ米政権による米金融機関へ のストレステスト(健全性審査)は非常に期待されていたが、看板倒 れになる恐れもある。

独立系の銀行アナリスト、ナンシー・ブッシュ氏は健全性審査の 狙いについて、米政府が「全体に状況を安定化させる目的で、金融株 の幾つかに見られた下方スパイラルを抑え」ようとしていることにあ ると指摘する。

米金融監督当局は、450億ドルの公的資金を受け入れたシティグ ループをはじめ米大手金融機関19行の財務健全性を分析する際の前 提条件として、米経済が今年、最大で3.3%のマイナス成長(来年は

0.5%のプラス成長)となり、今年の失業率は最高で8.9%に上昇(来 年は10.3%)するとのシナリオを想定している。

しかし、アナリストやエコノミストの間では、これらの見通しは 経済の悪化度合いを十分に織り込んでおらず、金融機関を厳密に審査 することにはならない可能性があるとの見方が出ている。ロッチデー ル・セキュリティーズのリチャード・ボーブ氏らアナリストは、審査 は金融機関が損失に耐えられるかどうかの能力を検査するというより も、投資家に金融国有化の必要はないと確信させるのが狙いだとみて いる。

ボーブ氏はインタビューで、「常々思っていたことだが、今回の審 査は政治的に動機付けられた手法であり、金融機関が資本不足に陥っ ているという見方を取り除くのが狙いだ」と指摘。「当局は金融機関の 財務基盤はしっかりしていることを証明しようとしているのだ」と語 る。

また、米カリフォルニア大学バークレー校のバリー・アイヒェン グリーン教授は、失業率の上昇や住宅価格の下落は審査の前提となる 経済の最悪シナリオよりもひどくなる可能性があると説明。「来年の失 業率は2けたに達する可能性があると認める人は多いが、審査を厳密 にやろうというなら、失業率は10%ではなく、11%という見通しを前 提に実施すべきだ」と話している。

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