東京外為:円弱含み、国内景気の悪化鮮明で資金引き揚げ警戒

東京外国為替市場では円が弱含 み。ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=97円97銭と、昨年11 月14日以来、約3カ月ぶりの水準まで円が水準を切り下げた。日本 の景気悪化が鮮明となるなか、海外投資家の資金引き揚げが意識され やすく、売り圧力が強まっている。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、海外投資家の間では景 気・政局の両面で日本の評価があらためて下がっていると指摘。あす は国内の重要指標が発表されるが、指標の悪化が示された場合は、も う一段の「日本売り」が促される可能性があるとして、目先は円が売 られやすいとみている。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=124円87銭と、前日のニューヨ ーク時間午後遅くに付けた123円92銭からユーロ高・円安が進行。 午後の取引では124円台前半を中心に取引された。

対日株式投資は減少傾向

財務省がこの日に発表した21日までの週の対外・対内証券売買 契約等によると、外国人投資家の日本株投資は、4508億円の売り越し と、昨年11月21日以来の売り越し幅となった。

外国人投資家の日本株投資は月間ベースで昨年12月からことし 1月まで売り越しとなっている。海外の投資資金が日本から引き揚げ られていることが裏付けられており、円買い需要の減退が意識されや すい。

そうしたなか、27日には日本で重要指標の発表を控えている。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、1月の失業率 は4.6%と、前月の4.4%から悪化が見込まれるなど、国内景気の先 行き懸念を背景に、日本向け投資の一段の縮小が連想されそうだ。

米中古住宅販売、12年ぶり低水準

一方、全米不動産業者協会(NAR)が25日に発表した1月の中 古住宅販売件数は前月比5.3%減の年率449万戸と、1997年以来の低 水準を記録。昨年12月にはプラスに転じていただけに、あらためて住 宅市場の低迷が確認される格好となった。

住宅指標の落ち込みを受けて、米株式相場は反落。景気への期待感 は醸成されにくく、ドルへの資金回帰が促される可能性がある。市場で は、米国株の下落を背景に米国に資金を還流させる動きが続いており、 それがドルの上昇につながっているとの指摘が聞かれている。

この日の米国時間には、1月の新築住宅販売件数のほか、新規失業 保険申請件数などの指標が発表される予定で、景気の先行き不安に拍車 がかかる可能性が警戒される。

ユーロ圏の信用危機くすぶる

半面、ユーロ圏では、ウクライナの信用格付けが引き下げられた ことで、外部環境の悪化に伴う信用危機が意識されやすくユーロの上 値が抑えられそうだ。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日、 ウクライナの長期外貨建て債務格付けを2段階引き下げ「CCC+」と した。CCC+はジャンク(投機的格付け)級の上から7番目となる。

また、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は25日、金 融機関のバランスシートから不良資産を取り除く方策として、銀行の国 有化が選択肢の1つであることを明らかにしている。

ユーロ・ドル相場は前日の取引で一時1ユーロ=1.2899ドルと、 ユーロが2営業日ぶりの高値を付けたあと、1.2691ドルまで下落。こ の日の東京市場では1.2700ドルを挟んだ水準で上値の重い展開が続い た。

--共同取材:曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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