JPモルガン:円相場予想を下方修正、年度末の円高リスクは残存

米銀大手JPモルガン・チェー スは25日、日本の貿易収支の予想以上の悪化などを理由に円相場の 見通しを引き下げた。ただし、年度末に向けては国内投資家によるレ パトリエーション(自国への資金回帰)といった円高リスクが残ると している。

JPモルガンは3月末の円の対ドル相場の予想を1ドル=95円と、 従来予想の88円から修正した。6月末についても92円(従来予想は 85円)に変更。貿易収支の悪化に加え、短期売買を行う投資家による 円買い持ち高の解消や株式投資に絡む日本からのネット資金流出の影響 が当面続くことが「中長期的に円のアンダーパフォーマンスにつながる 可能性が高い」と判断した。

為替資金本部の佐々木融チーフFXストラテジストは、貿易取引 から発生する円買い需要の急減など「予想以上に円にとって弱い要因 が出てきている」とした上で、短期的には99円程度まで円が下落す る可能性があると指摘している。

JPモルガンは円の対ユーロ相場見通しも3月末1ユーロ=122円 (従来予想は113円)、6月末120円(同111円)に変更。12月末は 136円(同123円)、対ドルでも99円(同90円)まで円安が進むと予 想している。

年度末の円高リスク

財務省が25日発表した1月の貿易収支は過去最大となる9526億 円の赤字を記録。世界経済の後退を背景に輸出額は前年比4割強の減 少と、2カ月連続で過去最大の減少率を更新した。

佐々木氏は、貿易収支の赤字転落は「明らかな円安要因」である 一方、今後、国内投資家によるレパトリが活発化する可能性も排除で きず、年度末にかけては引き続き円高リスクを警戒する必要があると 主張。特に日経平均株価が昨年10月に付けた安値を下回って下落し た場合には、海外から資金を引き揚げる動きが加速する可能性が高ま るとしている。

26日の東京外国為替市場では、円が対ドルで一時、1ドル=97 円88銭と昨年11月14日以来の安値まで下落。過去2週間の下落率 は7%を超えている。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタ イル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、ドル・円先物取 引の非商業部門の円の買い越し幅が今月3日時点(5万518枚)で昨 年4月下旬以来の水準まで拡大していたが、同17日時点では3万 6188枚まで縮小。日本の景気後退や政治の混迷が深まるなか、投機 筋は円買い持ち高の解消を進めている。

財務省が26日に発表した21日までの週の対外・対内証券売買契 約等によると、外国人投資家による日本株投資は4508億円の売り越 しだった。売り越しは12週連続。売り越し幅は昨年11月下旬以来で 最大となった。

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