2月25日の海外株式・債券・為替市場(4)

(米国株を最新版に差し替えます)

○米国株:米株式相場は反落。減配を受けて保険株が下げたことに加え、 中古住宅販売件数の予想外の減少を嫌気して資本財株に売りが広がった。 一方、銀行が政府の査定で資本水準は適正と判断されるとの思惑も強ま った。

生命保険会社リンカーン・ナショナルは14%安。配当を95%引き 下げたことが売りを誘った。配当を半分に減額したオールステートは

5.7%下落した。機械大手のキャタピラーと住宅建設のホブナニアン・ エンタープライゼズも大幅安。全米不動産業者協会(NAR)が発表し た1月の中古住宅販売件数が前月比5.3%減の年率449万戸と、1997年 以来の低水準を記録したことがきっかけ。

一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は9.1%上昇。ケネス・ ルイス最高経営責任者(CEO)は同行のバランスシートが政府査定で 適正評価を受けることに自信を示した。

パイオニア・ファンドの運用担当者、ジョン・キャリー氏は「懸念 材料に変わりはない。金融機関の株式価値の行方ついては、まだ明らか になっていない」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比1.1%安の764.90。ダウ工業株30 種平均は80.05ドル(1.1%)下落し、7270.89ドルで終了。小型株で 構成するラッセル2000指数は2.7%安。ニューヨーク証券取引所(N YSE)の騰落率は1対4。

金融株

S&P500種の金融株指数は一時6.5%下落。一時は上げに転じる 場面もあったが、0.5%安で終えた。米金融監督当局が米大手19行を対 象とする資産査定の詳細を発表したことが一時、買いを誘った。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言も銀行株の 下げ渋りに貢献した。議長は米政府がシティグループなどの銀行から少 数株主として「かなりの株式」を取得する可能性はあるとしながらも、 株主の利益を消滅させるような銀行国有化は「一切」計画していないと 述べた。

バーナンキ議長は25日、下院金融サービス委員会の公聴会で質疑 に応答し、銀行国有化は政府が銀行を「接収」し、「株主の権利を消滅 させる」ことと同義であるとし、FRBは「そのようなことは一切」計 画していないと語った。

減配続く

リンカーン・ナショナルは1.83ドル安の11.21ドル。四半期配当 を21セントから1セントに引き下げた。オールステートは配当を41セ ントから20セントに減額した。

S&P500種の保険株指数は4%安。全24産業で最も下げがきつ い。

軽飛行機セスナやベル・ヘリコプターを傘下に収める米テクストロ ンも減配を発表。株価は3.9%下落した。需要が減少する中、手元資金 を維持するため、配当を91%減額し、2セントとした。

ロンドン・ビジネス・スクールとクレディ・スイス・グループがま とめたデータによると、米国株の1900年以降の年平均リターンはイン フレ調整ベースで6%。配当を除くと、リターンは1.7%に低下し、長 期国債のリターン(2.1%)を下回る。

キャタピラーは3.9%安。ホブナニアンは7.3%下落し、S&P住 宅建設株指数(全15銘柄)で下落率2位となった。

大統領演説

オバマ米大統領は24日、両院合同本会議で就任後初の施政方針演 説を行い、リセッション(景気後退)で「われわれの信頼感が揺らいで いる」と述べた。さらに、経済危機は金融システムからヘルスケアに至 るまでの諸問題を解決する機会であると位置づけ、信用収縮を終わらせ るには一段の公的資金が必要になる可能性があることも示唆した。

MFグローバルの金融調査部門のバイスプレジデント、ニック・カ リバス氏は「大統領の演説は聞こえは良かったが、金融システムに対す る政策の詳細や詳しい説明はなかった」と述べた。

エトナやヒューマナを中心に売りが膨らみ、S&P500種のヘルス ケア株指数は2%下落した。オバマ大統領は議会が今年、抜本的な医療 改革を実施する必要があると強調。医療費が自己破産を招き、雇用消失 や財政赤字の拡大につながっていると主張した。

通信サービス株

S&P500種の全10セクターのうち、通信サービス株指数が1% 高と、唯一上げた業種となった。AT&Tは2%高。連邦最高裁が同社 に有利な判断を下したことが買い材料。

JPモルガン・チェースが投資判断を引き上げたこともAT&T株 に買いを誘った。判断引き上げは同社が契約を結ぶアップルの携帯電話 「iPhone(アイフォーン)」の販売増が理由。

○米国債:米国債相場は下落。2年および5年債利回りは3カ月ぶり高 水準に押し上げられた。午後に入り、財務省が過去最大規模の5年債入 札(320億ドル、最高落札利回り1.985%)を実施。26日には7年債入 札(220億ドル)が予定されている。米政府は国債入札を通じて景気対 策に必要な資金を調達している。

米金融監督当局は、国内大手銀行を対象とする資産査定の結果、資 本調達が必要と判断された銀行に対し、6カ月以内の増資を求めること を決めた。この発表後、米株式相場は金融株を中心に下げ幅を縮小し、 米国債は一段と下げた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたこの日の入札直前の市場予想 では、最高落札利回りは1.974%と予想されていた。1月に実施された 前回の最高落札利回りは1.820%だった。

スティーブンズの債券ストラテジスト、トロイ・クラーク氏は「供 給主導の相場展開だ。利回りが上昇しているのはこれが理由だ」と語る。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後4時49分現在、既発債の5年債利回りは前日比11ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)上げて1.99%。一時は昨年11月 28日以降で最高となる2.02%まで上昇する場面もあった。5年債(表 面利率1.75%、2014年1月償還)価格は1/2下げて98 7/8。2年債利 回りは4bp上げて1.07%。

国債入札

財務省は26日、7年債の入札を実施する。規模は過去最大の220 億ドル。

この日の5年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は

2.21倍と、前回(1月29日)の1.98倍を上回った。過去10回の応札 倍率は2.12倍となっている。

外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合は48.9%と、 2006年9月以降で最高だった。過去10回の同割合は平均で28.1%だっ た。

ガイトナー長官

ガイトナー米財務長官は25日、財務省で行われたドノバン住宅都 市開発長官との会談で記者団に対し、政府は「金融機関による与信が再 び円滑に進むよう積極的に行動している」と語った。同長官はまた、 「われわれは大統領が先週発表した住宅支援計画の実行を急いでいる」 と述べた。

米金融監督当局は、米大手19行を対象に資産を査定する。財務省 の発表資料によれば、当局者はいわゆるストレステスト(健全性審査) を4月末までに完了。監督者は各行について、2通りの経済情勢のシナ リオを前提に生じ得る損失を分析し、融資継続に必要な自己資本額を算 定する。

10年債とインフレ連動債

10年債と同年限インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は1ポ イントと、1月29日以来での最小に迫っている。トレーダーの間でイ ンフレ率見通しが低下していることが示唆された。過去1年間、同格差 は平均1.67ポイントで推移した。

メリルリンチのデータによると、米国債の投資リターンは年初から

2.7%のマイナス。過去最大規模の国債供給が相場を押し下げている。 昨年の同投資リターンは約14%のプラスだった。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロとポンドに 対して上昇。1月の米中古住宅販売件数が予想外の減少となり、世界的 な不況が深刻化するとの観測から、安全資産としてのドル需要が高まっ た。

円は対ドルで3カ月ぶりの安値まで下落。日本の貿易収支が1980 年以来で最悪の赤字を記録したことを受け、逃避先としての円需要が後 退した。ポーランド・ズロチは対ユーロで下落。ポーランド中銀が政策 金利を引き下げたことを受けて売りが出た。

ルーシュ・インターナショナル(ワシントン)の外為アナリスト、 オマー・エシナー氏は「リスク回避の姿勢が強まり、ドル高につながっ ている」と指摘。「世界経済の見通しに対する懸念が深まっているうえ、 金融システム全般に対する懸念も根強く、ドルの下振れリスクは引き続 き限定的だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、ドルは対ユーロで1.2%上 げ、1ユーロ=1.2699ドル(前日は1ユーロ=1.2846ドル)。対ポン ドでは1.8%上昇し、1ポンド=1.4227ドル(前日は1ポンド=1.4481 ドル)。

円は対ドルで1.1%下げ、1ドル=97円72銭(前日は96円64 銭)。一時は昨年11月14日以来の安値となる97円78銭まで下げる場 面もあった。円は対ユーロでは1ユーロ=124円8銭(前日は124円14 銭)。一時は1月9日以来の安値となる125円15銭まで下げた。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.9%上昇し、

87.668.2月18日には88.254と、昨年11月21日以来の高水準まで上 昇した。

中古住宅販売が減少

全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月の米中古住宅販売件 数は前月比5.3%減少と、1997年以来の低水準を記録した。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は1.1%増加とな っていた。

ドルは対ユーロでも上昇。スウェーデン・クローナに対しては

1.2%上げた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がウクライ ナの信用格付けを2段階引き下げたことが影響した。24日にはラトビ アの格付けも投資不適格級に引き下げらている。オーストリアやイタリ ア、フランス、ベルギー、ドイツ、スウェーデンの銀行は東欧、中欧の 銀行ローンの84%を占める。

円は朝方の取引で昨年11月以降初めて1ドル=97円台に乗せる円 安となった。財務省が発表した1月の貿易赤字が9526億円と、1980年 以来の最悪を記録したことが背景。

円安が継続

UBSのチーフ通貨ストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏 は25日、クライアントに対し「投資家が円を安全資産と見なすのをや め、輸出統計の悪化に基づいて取引すれば、円はまだまだ下げる可能性 がある」と書いている。

2008年には、世界的な景気後退を背景とした日本の投資家による 資金の本国還流の動きから、円は全主要通貨に対して上昇していた。こ うした円高の影響で、トヨタ自動車やホンダ、ソニーといった輸出企業 の海外販売は損なわれた。

○英国債:英国債市場では10年債相場が下落し、同利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.45%となった。

同国債(表面利率4.5%、2019年3月償還)は0.35ポイント下げ

108.84。一方、2年債利回りは4bp下げ1.41%となった。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは6bp拡大し203bpと、 19日以降で最大となった。

○欧州債:欧州債市場では、ドイツ2年債相場が続伸。25日発表され た独経済統計によると、同国の国内総生産(GDP)が2008年10-12 月(第4四半期)に過去22年で最大のマイナス成長となったほか、同 四半期の輸出も大幅に落ち込んだ。

独2年債利回りは今週に入ってからの最低水準を付けた。株式相場 の下落を受けて、安全投資としての国債需要が高まったことがきっかけ。 24日の国債相場は、独Ifo経済研究所が発表した2月の同国企業景 況感指数が26年ぶりの最低水準に落ち込んだことを受けて、上昇して いた。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロニ ー氏(ロンドン在勤)は「失業の増加が加速するなか、悪い材料は決し て遠ざからないようだ。今後も続く公算だ」と語った。

ロンドン時間午後3時26分現在、2年債利回りは前日比4ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.24%。同国債(表面利 率2.25%、2010年12月償還)価格は0.06ポイント上げ101.76。10年 債利回りは2.99%と、前日からほぼ変わらず。

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