原油がもたらした富と移民-UAEの芸術家が描く繁栄のなかの不安

アラブ首長国連邦(UAE)を40 年間にわたって潤してきた原油生産による富は、砂漠の国を中東の金融 拠点に変ぼうさせた。だが、地元芸術家64人の作品の中に見られるのは、 繁栄による喜びではなく、不安だ。

UAEの首都アブダビで4月16日まで開催されている展覧会「エミ ラティ・エクスプレッションズ」の展示作品には、3世代にわたる芸術 家たちのフラストレーションや成功の満足感が表現されている。これら の作品を選定したピカソ美術館(パリ)のディレクター、アンヌ・バル ダサーリ氏は、これらの芸術的表現を、UAEの変化の意味を解く鍵が 入った「ブラック・ボックス」と呼ぶ。

展覧会の主要テーマは保守主義と現代性のはざまにある疎外と葛藤 だ。UAEの人口約480万人のうち、外国人、主に労働者が8割を占め る。土着の集落は超高層ビルの建設のため取り壊されてしまっている。 UAEは世界の原油埋蔵量の約8分の1を保有する。

英ダラム大学のクリストファー・デービッドソン教授(中東研究専 攻)は「公式に政府に参加したり批判的な論文を執筆したりすることは 非常に困難だ。そのため、UAEの人々にとって芸術が自己表現の手段 になっている」との見方を示す。

薄暗い展示室で照明に照らされた作品には、砂に埋められた怒った 顔や、高層ビルを建設するため土を取り除く労働者たち、アバーヤと呼 ばれる黒い民族衣装に身を包んだ顔の見えない女性などが描かれている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE