日本株:世界経済不安和らぎ輸出関連中心に反発、円安進行もプラスに

午前の東京株式相場は反発。米連 邦準備制度理事会(FRB)議長の発言をきっかけに過度の景気懸念が 後退した前日の米国株高の流れを受け、ホンダやトヨタ自動車、キヤノ ン、東芝、コマツなど輸出関連株中心に買われた。外国為替市場での円 安進行、政策推進への期待も支援要素。

日経平均株価の午前終値は前日比115円35銭(1.6%)高の7383 円91銭、TOPIXは同7.58ポイント(1%)高の737.86。東証1 部の出来高は概算で10億3298万株、売買代金は6283億円、値上がり 銘柄998、値下がり573。業種別33指数は、輸送用機器、ゴム製品、 電気機器、機械、パルプ・紙など22業種が上昇、証券・商品先物、小 売、電気・ガスなど11業種が安い。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「世界経済の沈 滞ムードは今年いっぱい続くだろうが、各国政府の経済・金融対策の効 果で、来年には底入れする」との見方を示した。足元の日本株について は、「PBR(株価純資産倍率)が1倍割れの状況は割安と言え、現 在のような株価水準が長期間続くとは思わない」としている。

10年は回復の年になろう

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日、上院銀 行委員会で証言し、「政府と議会、FRBの行動が金融の安定化につな がれば、現在のリセッション(景気後退)が09年中に終わり、10年は 回復の年となるだろう」と述べた。また同議長は、銀行を国有化する必 要はないとの考えも示し、市場心理の改善につながった。24日の米ダ ウ工業株30種平均は前日比236.16ドル(3.3%)上昇し、7350.94 ドルと大幅反発した。

一方、外国為替市場では円が対ドル、対ユーロなどで下落。麻生太 郎首相の支持率低下に加え、日本国内の景気の弱さが意識され、円売り が加速した。25日午前の東京市場では1ドル=96円台後半、1ユーロ =124円台前半の直近円安水準で推移している。

バーナンキ議長の発言で、米国をはじめとした世界経済の悪化が長 引くことへの警戒が和らいだほか、円安も追い風となり、キヤノンやソ ニーなど電機株、トヨタ自動車やホンダなど自動車株が買われ、コマツ など機械株、ニコンなど精密機器株も堅調だった。三菱UFJフィナン シャル・グループやみずほフィナンシャルグループなど銀行株も小高い。

CME水準届かず上値重く、貿易赤字拡大も

この日は日経平均が取引開始早々に180円高の7449円まで値を切 り上げたが、米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の24 日清算値7470円には届かず、その後は上値の重さを嫌気した売りに押 される場面が目立った。大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画 部の西村由美次長によると、輸出入がともに急減する形で貿易赤字が膨 らみ、「内需も外需も企業を取り巻く収益環境は悪化しており、買い戻 しの範囲を出ない」という。

財務省が25日朝に発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)に よれば、貿易収支(原数値)は9526億円の赤字と、過去最大の赤字を 記録した。世界経済の後退を背景に輸出額は前年同月比45.7%減の3 兆4826億円と4カ月連続で減少。原油価格の急落や内需低迷で、輸入 額も同31.7%減の4兆4352億円と3カ月連続で減少したが、過去最 大の減少率だった輸出の落ち込みが響き、貿易赤字額が膨らんだ。

アドテストや日MDMが急伸、野村は連日安値

個別では、JPモルガン証券が投資判断を「アンダーウエート」か ら「オーバーウエート」に引き上げたアドバンテストが大幅続伸。同業 の東京エレクトロンも急伸。伊藤忠商事などと包括的な業務提携をする と発表した日本エム・ディ・エムは値幅制限の上限まで買い進まれ、東 証1部の値上がり率1位。コスト削減効果で09年12月期に最終黒字 を見込む近畿日本ツーリストも買いを集めた。自社株買いを実施すると 発表したスルガ銀行は、約5年3カ月ぶりの安値水準から急反発。

半面、粗鋼生産減少や販売価格下落などで、09年12月期の連結営 業利益を前期比90%減と見込む日本電工が急落し、昨年来安値を更新。 24日のニューヨーク金先物相場が過去6週間で最大の下げとなった影 響で、住友金属鉱山やアサヒプリテックなど非鉄金属株の一角が安い。 増資による株式希薄化が警戒され、前日に1982年10月以来の安値水 準に急落した野村ホールディングスは、きょうも52週安値を更新。

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