東京外為:円が対ドルで3カ月ぶり安値圏、景気悪化と政治混迷が圧迫

朝方の東京外国為替市場では円が 対ドルで1ドル=96円台後半と約3カ月ぶりの円安値圏で推移して いる。世界的な景気後退が深まるなか、国内景気の急激な悪化や政治 の混迷を背景に逃避通貨としての円需要が減退しており、円の買い持 ち高の解消が進んでいる。

ユーロ・円相場も約1カ月半ぶりの円安水準となる1ユーロ=124 円台で推移。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.28ドル台半ばを 中心にもみ合っている。

クレディ・スイス証券経済調査部の小笠原悟エコノミストは、デ フレ下の安全資産ということで円買いが進んでいたが、投資避難的な ドル買いが優勢になってきたことで、持ち高調整に伴う円売りが促さ れていると説明。加えて、日本の経済成長が欧米よりも悪化している ことが明らかとなり、海外投資家の「日本売り」も円安の進行を加速 させていると指摘する。

24日の海外市場では東京時間からの円売りの流れが継続し、対ド ルでは一時、96円93銭と昨年11月25日以来の円安値を記録。対ユ ーロでも124円76銭と今年1月9日以来の水準まで円安が進んだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタ イル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、ドル・円先物取 引の非商業部門の円の買い越し幅が今月17日時点で3万6188枚だっ た。今月3日時点では5万518枚と昨年4月下旬以来の水準まで買い 越し幅は拡大していたが、昨年10-12月期の日本のGDP(国内総生 産)が大幅な落ち込みとなり、中川財務相の辞任など政治不信が高ま るなか、投機筋による円の買い持ち高の解消が進んでいる。

一方、久々の円安水準ということで、東京時間日中は本邦実需筋 の円買いも見込まれる。ただ、世界経済の冷え込みを背景に輸出の落 ち込みが続くなか、輸出企業の円買い需要は減少しており、円の押し 上げ効果は限定的とみられる。

また、ドル・円は1月のドル高値をしっかりと上抜け、相場の反 転を示す「ダブルボトム」を形成。テクニカル的にも円の下値余地が 広がっており、円の戻り局面での売り意欲は強そうだ。

世界経済の悪化

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日、上院銀 行委員会の証言で、米国経済が厳しい縮小過程にあると指摘し、当局 が金融システムを安定させない限り、リセッション(景気後退)が2010 年まで続く可能性があると予想した。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが24日に発表した2月 の米消費者信頼感指数は25と1967年の統計開始以来の最低を記録。 全米20都市を対象にした2008年12月の米スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.5% 低下と、01年の集計開始以来で最大の落ち込みとなった。

欧州ではドイツのIfo経済研究所が発表した2月の独企業景況 感指数が26年ぶり水準に低下。また、米格付け会社スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)がラトビアの信用格付けをジャンク(投機 的格付け)級の「BB+」に引き下げるなど、欧州新興国の経済混乱 が深まっている。

こうしたなか、日本の財務省が25日発表した1月の貿易収支(通 関ベース)は9526億円と過去最大の赤字額を記録。世界経済の後退を 背景に輸出額は前年比4割強の減少と2カ月連続で過去最大の減少率 を更新している。

--共同取材 三浦和美 Editor: Tetsuzo Ushiroyama,Norihiko Kosaka

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