2月24日の海外株式・債券・為替市場(4)

(米国株を最新版に差し替えます)

○米国株:米株式相場は大幅反発。S&P500種株価指数は過去1カ月 で最大の上昇率を記録し、7日ぶりに上げた。バーナンキ米連邦準備制 度理事会(FRB)議長が銀行を国有化する必要はないと議会で証言し たことが買いを誘った。株価収益率(PER)が約20年ぶりの低水準 にあることも上昇の背景にある。

シティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)がともに 20%を超える上昇となり、S&P500種の金融株指数は8日ぶりに上げ た。ベアー連邦預金保険公社(FDIC)総裁が大手銀行にはいずれも 十分な資本があると発言したことも一因。住宅関連用品小売り大手のホ ーム・デポ、百貨店大手メーシーズ、高級百貨店チェーンのノードスト ロムも大幅高。いずれも決算がアナリスト予想を上回った。S&P500 種の産業別では全24指数が上昇した。

ハンティントン・バンクシェアーズ(オハイオ州コロンバス)のラ ンディ・ベイトマン最高投資責任者は「現在の相場にはかなりの割安感 がある。相場に何らかの勢いが付き始めると、買いが一気に膨らむ気配 はある」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比4%高の773.14と、1月21日以来 の大幅な上げ。ダウ工業株30種平均は236.16ドル(3.3%)上昇し、

7350.94ドルで終了。小型株で構成するラッセル2000指数は4.4%高の

412.07。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落率は10対1と昨 年12月16日以来の広範な上昇となった。

エール大学のロバート・シラー教授がまとめたデータによると、S &P500種の過去10年の業績を基にしたPERは23日現在で12.9倍。 1986年以来の低水準となった。同教授は業績の短期的な振れを平たん 化するため、10年のデータを使用している。

反発予想

S&P500種は前日に743.33と、1997年4月以来の安値で終えた。 JPモルガン・チェースのストラテジスト、トーマス・リー氏は短期的 には800まで上昇すると予想し、買いを推奨した。

米国株が弱気相場入りする3カ月前に売り持ちを提唱していたエリ オット・ウェーブ・インターナショナルのロバート・プレクター氏は売 り持ち高の解消を勧めた。同氏は今月のリポート「エリオット・ウェー ブ・セオリスト」で、下落を予想していると「急激で恐ろしい」反発に 見舞われると警告した。プレクター氏は1987年のブラックマンデー (株価大暴落)の2週間前に暴落を予想していたことで有名。

シティは続伸し、22%高。BOAは21%上昇。両銘柄とも前週は 国有化され、既存株主の価値が失われるとの懸念から31%を超える下 げを演じた。

バーナンキ議長が銀行への追加資本注入計画について、景気がさら に悪化し、損失が拡大した場合のみ、実施する方針を表明すると、S& P500種はこの日の高値圏に上昇した。

VIX

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(V IX)は14%低下の45.49と、1カ月ぶりの大幅な低下。VIXの低 下はS&P500種の下落に対する保険としてのオプション費用の減少を 意味する。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニア投資ストラテジ スト、アラン・ゲイル氏は「大幅な下落局面を考えると、その後に戻り はあるものだ」と述べた。ただ、「下値を固めるには、かなりの作業が 必要だ」と話した。

当局は25日から大手約20行を対象に、リセッション(景気後退) が深刻化した場合に十分な資本があるかどうかの査定を実施する。23 日の発表によると、民間セクターで資本を調達できない銀行は公的資金 が注入される。

S&P500種の金融株指数は12%高となり、8日ぶりに上げた。同 指数の構成銘柄ではアメリカン・インターナショナル・グループ(AI G)のみが下落した。

JPモルガンは7.7%高。23日に四半期配当金を1株当たり87% 減額すると発表した。この減配で年50億ドルのコストを追加削減でき るという。

同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は発表文で、 減配は「状況が大幅に悪化した場合に備えた強力な予防的措置」だと説 明した。さらに、2009年1-3月(第1四半期)決算見通しは「おお むねアナリスト予想通りだ」と指摘した。ブルームバーグ・ニュースが まとめたアナリストの1株利益予想は平均で34セント。

○米国債:米国債相場は3営業日ぶりに下落。株価上昇のほか、政府に よる大規模な国債発行が売り手掛かりになった。米財務省はこの日の2 年債(400億ドル)入札に続き、今週さらに5年債と7年債合計540億 ドルの入札を実施する。

朝方発表された2月の消費者信頼感指数は、統計開始以来の最低を 記録。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は上院銀行委員 会の証言で、米国経済が厳しい縮小過程にあると指摘し、当局が金融シ ステムを安定させない限り、リセッション(景気後退)が2010年まで 続く可能性があると予想した。これを材料に米国債は一時上昇していた。

ドイツ銀行のプライベートバンク部門の債券トレーディング責任者、 ゲーリー・ポーラック氏は「債券は株式市場の動向をみて、それとは反 対の値動きを示している。この先もかなりの供給が控えている」と語っ た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後4時38分現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上げて0.97%。2年債(表面利率0.875%、 2011年1月償還)価格は99 26/32。5年債利回りは7bp上げて

1.88%。

2年債入札

米財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回りは

0.961%と、入札直前の市場予想の0.983%を下回った。前回(1月27 日)は0.925%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.63倍 と、前回の2.69倍をやや下回った。

財務省は25日に5年債320億ドル、7年債220億ドルの入札を26 日に実施する。

オバマ政権が銀行救済策の詳細を詰めていることに対し、バーナン キ議長は議会証言で、当局の「力強い」行動を求めた。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、FRBが長期国債を買い取る案 について、市場の需給をゆがめてしまうことがない限り、米景気回復に 寄与する可能性があるとの見解をあらためて示した。同総裁は、ロード アイランド州スミスフィールドでの講演で、FRBが長期国債を買い取 る案は「特に有効な」措置になり得ると述べ、前日ハーバード大学で行 った講演での主張を繰り返した。

30年債は3日続伸。利回りは1bp下げて3.50%。

2年債と10年債の利回り格差はほぼ変わらずの1.82%。

消費者信頼感指数

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した2月の米消費 者信頼感指数は25に低下。1967年の統計開始以来で最低、ブルームバ ーグのまとめたエコノミスト予想中央値(35)も大きく下回った。

プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)のゴールド マン・サックス・グループによると、今年度(09年9月終了)の米政 府の借入額は2兆5000億ドルと予想されている。過去1年の中長期債 の発行額は8920億ドル。

ファーガソン・ウェルマン・キャピタル・マネジメント(オレゴン 州ポートランド)で運用に携わるマーク・フォビンチ氏は「米国債市場 の参加者は入札に焦点を絞り、株式市場や景気に関するネガティブなニ ュースへの反応は弱まっている」と語る。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで下落。昨年 11月以降初めて1ドル=96円台に乗せる円安となった。日本経済の悪 化が深刻化し、世界的な景気後退の中で逃避先としての円需要が弱まっ た。

円はユーロとメキシコ・ペソに対しても下げた。麻生太郎首相の支 持率低下に加え、1月の貿易赤字が少なくとも1986年以来の最大にな るとのエコノミスト予想を受けて円売りが加速した。ドルは対ユーロで 下落。株価が12年ぶりの安値から反発したものの、安全資産としての ドル需要は弱まった。

BMOキャピタル・マーケッツの通貨ストラテジスト、アンドル ー・ブッシュ氏(シカゴ在勤)は「日本の経済指標は弱い内容が続いて おり、株安が円高につながる図式も崩れた」と指摘。「麻生内閣の支持 率は極めて低い」と語った。

ニューヨーク時間午後4時02分現在、円は対ドルで2.3%下げ、1 ドル=96円80銭(前日は94円61銭)。一時は昨年11月25日以来の 安値となる96円93銭まで下げた。円は対ユーロでは3.6%下げ、1ユ ーロ=124円37銭(前日は120円10銭)。一時は1月9日以来の安値 となる1ユーロ=124円76銭まで下げた。ドルは対ユーロで1.2%下げ、 1ユーロ=1.2846ドル(前日は1ユーロ=1.2694ドル)。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で銀行 の国有化は必要ないと発言したことを受けて、S&P500種株価指数は 4%上昇。ダウ工業株30種平均は3.3%上昇した。これを背景にドル は対ユーロで下落した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、アンドルー・シャベリア氏 (ニューヨーク在勤)は「ユーロが対ドルでやや反発している」と指摘。 「ユーロは株価の上昇に沿う動きとなっている」と述べた。

円は全面安の展開となり、対メキシコ・ペソで2.8%、対南アフリ カ・ランドでは2.7%下落した。円はユーロに対して昨年9月以来で最 長の5日連続安。

2月16日以降のドル・円相場と日経平均株価の相関係数はマイナ ス0.89に振れた。それまでの1年間では相関係数はプラス0.86となっ ていた。内閣府が発表した昨年10-12月期の国内総生産(GDP)1 次速報値が前期比年率12.7%減と、第1次石油危機直後の1974年以来 の下落率となったことが材料視された。相関係数の1は、ドル・円と日 経平均が平行して動いていることを意味する。

相関が崩れた

BNPパリバの為替ストラテジスト、イアン・スタナード氏(ロン ドン在勤)は「(相場を)動かす要因が変わりつつあり、ドル・円と株 価の相関関係が崩れてしまった」と述べ、「特にドルは対円で引き続き 急伸するだろう」と加えた。

ブルームバーグの調査によると、2008年には171通貨のうち円が 最も堅調に推移し、対ドルで23%上げ、対ユーロでも29%上昇した。 こうした円高の影響で、トヨタ自動車やホンダ、ソニーなど輸出企業の 海外販売が損なわれた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ ストの予想中央値は、2009年末時点で1ドル=96円となっている。

○英国債:英国債相場は上昇。株式相場の下落を背景に安全投資として の国債需要が高まったほか、イングランド銀行当局者が国債買い取りを 開始する用意があると示唆したことがきっかけとなった。

10年債利回りはほぼ1週間ぶりの低水準となった。英国銀行協会 (BBA)が24日、1月の住宅ローン承認件数が前年同月比43%減少 したと発表したことを受け、英リセッション(景気後退)深刻化の兆し が強まった。イングランド銀の金融政策委員会(MPC)メンバー、ア ンドルー・センタンス氏は、デフレリスクに言及した。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)の債券アナリス ト、エリザベス・アフセス氏は、「リスク回避が相場の主動力となって おり、当面こうした傾向は続くだろう」と述べた。

10年債利回りは一時、前日比7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の3.39%と、18日以来の低水準となった。ロンドン時 間午後4時半現在は3.41%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償 還)は0.42ポイント上げ109.23。2年債利回りは7bp下げ1.44%と なった。

○欧州債:欧州債相場は上昇。株式相場の下落を受けて、安全投資とし ての国債需要が高まった。

ドイツのIfo経済研究所が24日発表した2月の同国企業景況感 指数が予想に反して悪化し、26年ぶりの低水準となったことも相場の 押し上げ要因だった。この日の株式市場では、MSCIアジア太平洋指 数が2003年8月以来の安値となったほか、ダウ欧州50種指数は7営業 日連続で下落した。

カリヨンの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン在 勤)は「海外市場での大幅安をきっかけに、リスク回避の取引に戻っ た」と述べ、「マクロ経済データと景気対策をめぐる高い不透明性が引 き続き国債相場への支援材料となるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時15分現在、独2年債利回りは前日比3ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.29%。同国債(表面 利率2.25%、2010年12月償還)価格は0.05ポイント上げ101.68。独 10年債利回りは2.99%と、前日を2bp下回った。

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