米国株:大幅反発、FRB議長証言で銀行の国有化懸念が後退

米株式相場は大幅反発。S&P 500種株価指数は過去1カ月で最大の上昇率を記録し、7日ぶりに上 げた。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が銀行を国有 化する必要はないと議会で証言したことが買いを誘った。株価収益率 (PER)が約20年ぶりの低水準にあることも上昇の背景にある。

シティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)がともに 20%を超える上昇となり、S&P500種の金融株指数は8日ぶりに 上げた。ベアー連邦預金保険公社(FDIC)総裁が大手銀行にはい ずれも十分な資本があると発言したことも一因。住宅関連用品小売り 大手のホーム・デポ、百貨店大手メーシーズ、高級百貨店チェーンの ノードストロムも大幅高。いずれも決算がアナリスト予想を上回った。 S&P500種の産業別では全24指数が上昇した。

ハンティントン・バンクシェアーズ(オハイオ州コロンバス)の ランディ・ベイトマン最高投資責任者は「現在の相場にはかなりの割 安感がある。相場に何らかの勢いが付き始めると、買いが一気に膨ら む気配はある」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比4%高の773.14と、1月21日 以来の大幅な上げ。ダウ工業株30種平均は236.16ドル(3.3%) 上昇し、7350.94ドルで終了。小型株で構成するラッセル2000指数 は4.4%高の412.07。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落 率は10対1と昨年12月16日以来の広範な上昇となった。

エール大学のロバート・シラー教授がまとめたデータによると、 S&P500種の過去10年の業績を基にしたPERは23日現在で

12.9倍。1986年以来の低水準となった。同教授は業績の短期的な 振れを平たん化するため、10年のデータを使用している。

反発予想

S&P500種は前日に743.33と、1997年4月以来の安値で終 えた。JPモルガン・チェースのストラテジスト、トーマス・リー氏は 短期的には800まで上昇すると予想し、買いを推奨した。

米国株が弱気相場入りする3カ月前に売り持ちを提唱していたエリ オット・ウェーブ・インターナショナルのロバート・プレクター氏は売 り持ち高の解消を勧めた。同氏は今月のリポート「エリオット・ウェー ブ・セオリスト」で、下落を予想していると「急激で恐ろしい」反発に 見舞われると警告した。プレクター氏は1987年のブラックマンデー (株価大暴落)の2週間前に暴落を予想していたことで有名。

シティは続伸し、22%高。BOAは21%上昇。両銘柄とも前週は 国有化され、既存株主の価値が失われるとの懸念から31%を超える下 げを演じた。

バーナンキ議長が銀行への追加資本注入計画について、景気がさら に悪化し、損失が拡大した場合のみ、実施する方針を表明すると、S& P500種はこの日の高値圏に上昇した。

VIX

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(V IX)は14%低下の45.49と、1カ月ぶりの大幅な低下。VIXの 低下はS&P500種の下落に対する保険としてのオプション費用の減 少を意味する。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニア投資ストラテジ スト、アラン・ゲイル氏は「大幅な下落局面を考えると、その後に戻り はあるものだ」と述べた。ただ、「下値を固めるには、かなりの作業が 必要だ」と話した。

当局は25日から大手約20行を対象に、リセッション(景気後 退)が深刻化した場合に十分な資本があるかどうかの査定を実施する。 23日の発表によると、民間セクターで資本を調達できない銀行は公的 資金が注入される。

S&P500種の金融株指数は12%高となり、8日ぶりに上げた。 同指数の構成銘柄ではアメリカン・インターナショナル・グループ(A IG)のみが下落した。

JPモルガンは7.7%高。23日に四半期配当金を1株当たり 87%減額すると発表した。この減配で年50億ドルのコストを追加削 減できるという。

同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は発表文 で、減配は「状況が大幅に悪化した場合に備えた強力な予防的措置」 だと説明した。さらに、2009年1-3月(第1四半期)決算見通しは 「おおむねアナリスト予想通りだ」と指摘した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたアナリストの1株利益予想は平均で34セント。

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