FRB議長:2010年の景気回復、市場と金融機関の安定が条件(5)

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は24日、上院銀行委員会で証言し、米経済が厳しい縮 小過程にあると指摘。当局が金融システムを安定させない限り、リセッ ション(景気後退)が2010年まで続く可能性があると予想した。

バーナンキ議長は「政府と議会、FRBの行動が金融の安定化につ ながれば、現在のリセッションが09年中に終わり、10年は回復の年 となるだろう」と述べた。同議長は自身の見方と断り、「金融市場の安 定が2010年の景気回復の条件になる」と付け加えた。

オバマ政権が銀行救済策の詳細を詰めていることに対し、バーナン キ議長は当局の「力強い」行動を求めた。ガイトナー財務長官が10日 に救済策の概要を発表し、シティグループへの追加資金注入について協 議を始めたものの、金融株は一段と下落した。

バーナンキ議長は「下振れリスクは上振れリスクを恐らく上回って いる」と発言。強い不透明感が金融当局の予測に暗影を投じていると述 べた。

同議長はまた、しばらく超低金利が続くと金融当局者がみているこ とを明らかにした。

さらに、世界的な不況が米輸出と金融市場の悪化リスクを高めてい ると指摘。「景気と金融状況の悪化が相互に作用する悪循環という、マ イナスの力が別のリスクになっている」と語った。

RDQエコノミクスのチーフエコノミスト、ジョン・ライディング 氏は「バーナンキ議長のメッセージはこの悪循環を打開するため、可能 な限りの手段を尽くすということだ」と話した。

バーナンキ議長はまた、「力強い政府の行動」が市場と金融機関の 安定にとって不可欠だと述べた。

FRBや財務省など米規制当局は23日、大手米銀に追加資本を注 入する方針を表明。今週、銀行の資本が十分かどうかを確認する査定を 開始することを明らかにした。

対策強化

FRBは信用危機への対応策を強化する可能性がある。具体的には、 消費者と中小企業向けの融資枠を最大2000億ドルから1兆ドルに拡 大し、商業用不動産担保証券(CMBS)も対象に組み込む案だ。FR Bは政府支援住宅金融機関が発行する証券のほか、保証する住宅ローン 担保証券(MBS)を合わせて6000億ドルの買い取りも実施してい る。

FRBは6日、ターム物資産担保証券ローンファシリティー(TA LF)について、月内に開始日を公表することを明らかにしたが、バー ナンキ議長はこの日の証言で「ローン供与を間もなく始める予定だ」と 述べるにとどめ、具体的な開始日には言及しなかった。

同議長は「現在、実施されているほかの広範にわたる財政・金融政 策と相まって、これらの行動が低インフレ下で、経済成長と労働市場の 緩やかな回復につながるとみている」と話した。

長期国債買い取り

リッチモンド連銀のラッカー総裁ら当局の少数派は借り入れコスト の抑制に向け、信用供与プログラムよりも長期国債の購入を提唱してい る。バーナンキ議長は証言テキストで長期国債の買い取りには言及しな かった。

冒頭証言後の質疑応答では「米国債の購入が民間市場の金利を低下 させ、機能を回復するための最善策だと判断する場合に備え、米国債購 入の選択肢は維持しておきたい。われわれは米国債購入の選択肢は今後 も確実に維持する」と語った。同委員会のドッド委員長(コネティカッ ト州、民主党)からの質問に回答した。

バーナンキ議長は検討中の策として、政府支援住宅金融機関が発行 する証券のほか、保証するMBSの買い取り、さらにTALFの支援規 模拡大の可能性を挙げた。

さらに「米国債購入の選択肢を維持する一方で、民間金融市場の対 応策として他の方策にも目を向けている」と指摘した。

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