膨らむ日銀当座と超過準備4兆円超、株安懸念で流動性補完は拡大へ

日本銀行の資金供給量を示す当 座預金残高が膨らんでいる。日経平均株価がバブル経済崩壊後の安 値を更新するなか、予備的資金の抱え込みから市場の流動性は低下 しやすく、短期金利の低位安定を維持するためには一段の資金供給 を迫られる可能性が高い。

1月下旬以降の日銀当座預金残高は10兆円程度から14兆円程度 まで増加傾向が鮮明だ。過去1年を振り返ると、資金需要が高まる四半 期末を除けば6兆-10兆円程度で推移していただけに、「質的緩和に 量的緩和も加えることが必要との判断になってきている」(セントラル 短資・金武審祐執行役員)という。

日銀はTIBOR(東京銀行間貸出金利)の高止まりを意識し て企業支援の資金供給を強化する一方、足元ではレポ(現金担保付 債券貸借)金利の跳ね上がりを防ぐため、連日4兆-5兆円の供給 を継続。20日には期間が4カ月近い長めの供給オペも実施された。

国内大手銀行の資金担当者は、これだけ資金の循環が悪い状況 では、日銀の金融調節も非効率的な資金供給を免れないと指摘。当 座預金残高に目標を設定した量的緩和策ではないものの、各金利に 目配りした結果が高水準の残高につながっているという。

株安と超過準備

インターバンク市場では、一時7155円まで下がった日経平均 株価に警戒感も出ていた。大量の資金を背景に取引は落ち着いてい るが、赤字決算見通しの地方銀行が多いなか、自行の株価水準に従 って手元流動性を高めるところもあるという。

株安が続く前週からの市場では、準備預金に法定以上の資金を 積み上げる超過準備額が4兆1800億円と、1週間で3兆円も急増し ている。0.1%の利息が付く安心感から資金が放置されやすい面もあ るが、意図的に資金が抱え込まれている部分も大きいという。

23日の無担保コール取引残高は6兆8698億円と、7兆円の節 目を再び割り込んでいる。

株安にもかかわらず、2年物など中短期債利回りの上昇が目立 っており、銀行から損益確定の売りが出ていたとの指摘も聞かれた。 国内証券のトレーダーによると、ここ数日はレポでも大手銀行の資 金運用が減っているとされ、レポ金利はじり高傾向だ。

年度末に向けストレス高まる

日銀の白川方明総裁は19日の会見で、TIBORの高止まりに ついて、金融機関の流動リスクと金融機関が認識する企業のクレジ ットリスクに言及しており、「金融市場にストレスがかかっている 部分が大きい」(三菱UFJ証券・鹿野達史シニアエコノミスト) という。

別の国内大手銀の資金担当者は、昨年から譲渡性預金(NC D)の獲得競争が厳しくなっているという。企業は業績悪化と格下 げが相次ぎ、年度末を控えて銀行貸し出しへの依存度が高く、銀行 も無担保の資金をいくら確保できるかがTIBORの水準に表れて いるという。

世界的に景気懸念が広がるなか、「国内景気も一番厳しいとこ ろを通過している」(セントラル短資・金武氏)ところで、年度末 を控えて企業や金融機関は厳しい資金繰り運営を迫られる可能性が ある。市場機能より市場安定に軸足を移した日銀は、一段の資金供 給を迫られる可能性が高いという。

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