東京外為:円弱含み、日米間の景気対策スピード格差で売り圧力

午前の東京外国為替市場では円が 弱含み。ドル・円相場は一時1ドル=94円82銭を付け、その後も94 円台を中心に昨年12月1日以来の円安値近辺で推移している。日米間 で政府の景気対策のスピード感に格差が生じていることから、円に売 り圧力がかかりやすくなっているようだ。

東海東京証券金融市場部の二瓶洋トレーディンググループマネジ ャーは、米金融当局の対応で金融不安が打ち消される格好となってお り、ドルへの資金シフトが「安全」と捉えられていると指摘。「策が 取れない日本と積極的に策を取っている米国との相違」がドル買いの 評価につながっていると指摘する。

ただ、東京市場では、「国内輸出企業がレベル感を背景に94円台 でドルを売っているほか、機関投資家の利益確定に伴うクロス・円(ド ル以外の通貨と円の取引)の円買い」(二瓶氏)がみられるといい、 ドル高・円安の進行が鈍る格好となっている。

ユーロ・円相場は海外市場で一時1ユーロ=121円93銭と、1月 19日以来の水準までユーロ高・円安が進行。この日の東京市場では119 円39銭まで円が値を戻す場面も見られている。

米大手銀向けの追加支援好感

米財務省と連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(F DIC)、通貨監督庁(OCC)、貯蓄機関監督局(OTS)は23 日、共同で声明を発表。「経済成長の回復に欠かせない信用供与のた めに十分な銀行の資本と流動性を確保する」として、「米政府は今回 の金融危機が続く間、銀行システムをしっかりと支える」との意向を 表明した。

当局は、査定によって資本増強が必要と判断された銀行が民間投 資家からこれを調達できない場合に追加の公的資金を注入する方針。 公的資金を受ける銀行は「強制転換優先株」を発行し、これらは「必 要に応じ時間をかけて」普通株に転換されるという。

ドルは対ユーロでも海外市場から買い進まれ、東京市場では一時 1ユーロ=1.2663ドルと、2営業日ぶりの水準に値を戻している。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブ・FXス トラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、実体経済の悪化を背景に米金融 機関の国有化懸念は今後もくすぶり続ける可能性が高いとしながらも、 ごく目先に関してはそうした懸念が後退していると指摘する。

国内輸出企業の円買い需要を警戒

一方、日本銀行が昨年12月に発表した企業短期経済観測調査(短 観)では2008年度通期の想定為替レートは103円32銭となっており、 同水準よりも大幅なドル安水準で推移するなか、ドルの戻り局面では、 国内輸出企業を中心としたドル売り・円買い需要が見込まれる。

また、前日の米株式市場では、企業業績に対する懸念を背景に、 S&P500種株価指数が前週末比3.5%安の743.33と、1997年4月以 来の安値で取引を終了しており、ドル買い安心感が醸成されにくい面 も残るようだ。

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