TOPIXが安値更新、根強い金融と収益不安-希薄化懸念で野村急落

午前の東京株式相場は続落し、T OPIXが昨年10月28日に付けたバブル経済崩壊後の取引時間中の 最安値(721.53)を更新した。世界的な金融不安、企業業績悪化への 不安が強く、銀行株に売りが継続。増資による株式希薄化が警戒された 野村ホールディングスは急落し、証券・商品先物は東証1部33業種の 下落率1位。ハイテクや素材関連も安い。

日経平均株価の午前終値は前日比191円66銭(2.6%)安の7184 円50銭、TOPIXは同13.41ポイント(1.8%)安の721.87。東 証1部の売買高は概算で9億7775万株、売買代金は5351億円、値下 がり銘柄は1225、値上がりは362。業種別33指数は、ゴム製品を除く 32業種が安い。

MU投資顧問の森川央シニアストラテジストは、「金融問題につい ては当局が抜本的対策に踏み込めていないことへのいら立ちがある」と 指摘。米金融機関の問題はいまだ解決には程遠く、「クレジットカード や商業用不動産ローンなど銀行のポートフォリオ内で損失が一段と増え ることも予想され、まだ波乱が続きそう」と見ている。

日経平均も一時終値ベースのバブル後最安値割れ

大幅続落した23日の米国株相場の流れを引き継ぎ、東京市場では 朝方から売りが先行。TOPIXは取引開始早々にバブル経済崩壊後の 取引時間中安値を更新した。また、日経平均も午前中ごろ過ぎに7155 円まで下げ、昨年10月27日に付けたバブル崩壊後の終値ベースの最 安値(7162円)を一時下回った。

市場関係者の間からは、「外部環境の不透明感が強く、企業業績の 底も見えない。下値を探る展開が避けられなくなってきた」(日興コー ディアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリスト)、「金融システ ム不安がなかなか沈静化しない状況では、下値でもリスク資産の株式へ の買いが入りにくい」(野村証券の佐藤雅彦マーケットアナリスト)と いった声が聞かれた。

JPモルガン減配、AIGは米政府の追加支援も

米銀2位のJPモルガン・チェースは23日、年50億ドルのコス ト削減に向けて、四半期配当金を1株当たり5セントと、従来の38セ ントから87%減額すると発表した。また、米政府の支援を受けている 保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、 政府保有の優先株を普通株に転換することを求める可能性があることを 事情に詳しい関係者1人が23日明らかにした。

金融不安の広がりを受けて、みずほフィナンシャルグループや三井 住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループと いった3大金融グループ株がそろって下げた。新生銀行は連日で昨年来 安値を更新。オリックスやアイフルといったその他金融株も、前日に引 き続き売り込まれた。

ハイテクと鉄鋼に悪材料

23日の米国では、モルガン・スタンレーがハイテク株について、 景気に敏感な産業の中で最もぜい弱だとの見方を示したことをきっかけ に、ヒューレット・パッカードやインテルの株価が急落した。USスチ ールを中心に鉄鋼株も下落。UBSでは、鉄鋼業界の増産が急激過ぎた と指摘している。

米国株市場の流れを引き継ぐ格好で、東京市場でもキヤノンやソニ ー、パナソニック、オリンパスなどのハイテク株が売られ、新日本製鉄、 JFEホールディングス、旭化成、住友化学など素材株も軟調だった。

野村は82年10月来安値、小売の下げ目立つ

個別では、新株発行による大規模な公募増資を決議した野村が、既 存株主利益の希薄化などが嫌気され1982年10月以来の安値水準に沈 んだ。2月度の既存店売上高が前年同月比2けた減となったジーンズメ イト、ライトオンはともに下落。小売株全般に下げが目立ち、フ ァーストリテイリングは日経平均の下落寄与度1位となった。 大阪府警が不正融資で捜索する方針を固めた、と共同通信などで伝えら れた百十四銀行は、下げ幅を広げて昨年来安値に接近。

ディフェンシブ一角が堅調

半面、JR東日本、東洋水産、東京電力といった景気動向の影響を 受けにくいディフェンシブ銘柄の一角も上昇。JR東日本については、 みずほ証券が投資判断を「2(買い)」から「1(強い買い)」に引き 上げたことも追い風となった。KBC証券が投資判断を「売り」から 「中立」に引き上げた任天堂は6営業日ぶりに小反発。

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