日銀議事要旨:ターム物金利引き下げでオペ工夫の検討必要(2)

(発表内容を追加します)

【記者:日高正裕】

2月24日(ブルームバーグ):日本銀行は24日午前、1月21、22 日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、何人かの 委員が「企業が実際に資金調達するやや長めの資金の金利であるターム 物金利への働き掛けも重要」と述べ、複数の委員はこうした働き掛けに ついて「日銀のオペレーション(金融調節)面でさらにどのような工夫 があり得るのか検討が必要」と語ったことが分かった。

日銀は1月21、22日の会合で、企業金融の円滑化に向けた措置とし て、残存期間1年以内の社債の買い入れを検討するとともに、既に買い 入れ方針を示していたコマーシャルペーパー(CP)について、資産担 保CP(ABCP)を含めて、格付けA1格相当を3兆円を上限として 買い入れることを決定した。

日興シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「景気の さらなる悪化が鮮明となり、加えて円高・株安が急速に進行するような 場合、長めの資金の大量供給や、ターム物金利を緩やかにターゲットに する政策が打ち出される可能性が出てこよう」と指摘している。

社債の買い入れ検討は採決にかけられ、賛成7、反対1の賛成多数 で決定された。反対した須田美矢子審議委員は反対理由として「残存期 間1年以内の社債を買い入れても企業金融に与える効果は限定的」と指 摘。買い入れの検討を現時点で表明すること自体も「市場への影響を考 えると適切でない」と述べた。

財務省「決算対策で日銀と協議も」

民間の金融資産の購入について、ある委員が「わが国の市場機能不 全の程度・範囲は今のところ米国などに比べて限定的」とした上で、「必 要以上に広範な買い取りを行うことで、残された市場機能をかえって歪 めてしまう可能性に留意すべきだ」と指摘した。

何人かの委員は「日銀の決算に損失が生じた場合の処理や、自己資 本の確保を適切に行っていくことを通じて、財務の健全性を確保してい くことが大事」と指摘。こうした考え方について「政府の理解を求めて いくことが重要」と述べた。財務省の出席者はこれに対し、「現実にそう したリスクが顕現化した際は決算上の対策として具体的に話をする機会 もあるので、日銀としっかりと協議をした上で対応したい」と語った。

日本経済が持ち直す時期については、多くの委員が「2009年度後半 以降」との見方を示したが、複数の委員は「各国の政策の効果を見極め るにはなお相応の時間を要し、不確実性も高い」と指摘。さらに、何人 かの委員は「今回のグローバルな景気後退は、過去数年にわたって蓄積 された不均衡の調整が背景にある以上、景気回復にも時間がかかること を認識しておく必要がある」と述べた。

再びインフレ圧力高まる可能性も

消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)については、委員は 「春ごろにかけてマイナスに転じていく」との認識を共有した。何人か の委員は「先行き物価上昇率が一段と下振れるリスクもある」とした上 で、「中長期的なインフレ予想の動きをしっかり点検していくことが重 要」と語った。

一方、ある委員は「当面は物価の下振れリスクに注意が必要」とし ながらも、「やや長い目でみれば、世界的な金融緩和が長期化するなどし て新しい行き過ぎが生じ、再びインフレ圧力が高まる可能性についても、 常に意識しておく必要がある」と述べた。

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