米政府:銀行に追加資本注入へ、破たん阻止-今週資本査定を開始

米国の金融監督当局は23日、 同国の大手銀行に追加資本を注入する方針を示し、破たんを阻止す る決意を表明した。当局は今週、銀行の資本が十分であるかを確認 するための査定を開始する。

米財務省と連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社 (FDIC)、通貨監督庁(OCC)、貯蓄機関監督局(OTS) は共同声明で「経済成長の回復に欠かせない信用供与のために十分 な銀行の資本と流動性を確保する」とし、「米政府は今回の金融危 機が続く間、銀行システムをしっかりと支える」と表明した。

発表を受けて米銀シティグループとバンク・オブ・アメリカ(B OA)株は急伸した。両行の株価は先週、損失拡大の懸念を背景に 急落していた。

米財務省は既に、米金融機関に2800億ドル(約26兆4400億 円)以上を注入している。この日の発表は政府が明示的に一部金融 機関の経営権を握る可能性を示唆しているとの見方もある。元OT S当局者の弁護士、ケビン・ペトラシック氏は「必要に応じて段階 的に支援を強めていくことが目的だ」と指摘。最終的には「一時的 国有化」と呼べる程度の支援規模になるだろうと述べた。

当局は、査定によって資本増強が必要と判断された銀行が民間 投資家からこれを調達できない場合に追加の公的資金を注入する方 針を示した。公的資金を受ける銀行は「強制転換優先株」を発行し、 これらは「必要に応じ時間をかけて」普通株に転換されるという。

財務省が既に保有しているシティグループやバンク・オブ・ア メリカ(BOA)の持ち分も、転換権付き優先株に変更することが できる。財務省のアイザック・ベーカー報道官は22日遅く、銀行 と当局が銀行の生き残りに役立つと考えれば、既存の持ち分を普通 株に転換する銀行の要請を当局が検討する可能性を排除しない述 べていた。

発表によると、追加の公的資金は危機の間の損失拡大の影響を 「一時的に」和らげることが目的。

銀行が「さらに困難な経済環境」に耐えられるかどうかを調べ る資本査定は25日に開始される。共同声明は、「大手米銀の資本は 現在、十分とされる水準を超えている」とした上で、「このプログ ラムはこれらの大手銀が、経済環境が悪化した場合も金融システム における必須の役割を継続的に果たし景気回復を支えることができ ることを確実にするためのものだ」と説明している。

銀行株の下落を受けて、銀行国有化の議論が過熱していた。ヌ リエル・ルービニ米ニューヨーク大学教授やリンゼー・グラム米上 院議員(共和、サウスカロライナ州)、アラン・グリーンスパン前 米連邦準備制度理事会(FRB)議長は銀行危機の解決策として国 有化を示唆し、上院銀行委員会のドッド委員長も1月20日のブル ームバーグテレビジョンとのインタビューで、短期的には政府によ る銀行接収は回避不可能かもしれないと述べていた。

優先株を普通株に転換することで、有形資産に対する普通株株 主資本(TCE)比率を高めることができる。米政府が保有するシ ティの優先株は520億ドル相当と、20日時点の同行の株式時価総額 の5倍。優先株をすべて普通株に転換した場合、政府持ち分は80% を超える。450億ドルの政府資金を受け取ったBOAでは、優先株 やワラントをすべて普通株に転換した場合の政府持ち株比率は 66%となる。

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