債券、金融不安で小幅高―米債高と株安が相場の下支え-(終了)

債券相場は小幅高(利回りは 低下)。世界的な金融不安の強まりを受けて、買い優勢の展開とな った。

この日の相場は、前週末の米国市場で銀行国有化観測を背景に、 株安・債券高となった地合いを継続。中小企業向け金融サービスS FCGが民事再生法適用を申請したことを受けて国内株が続落した ことも支援材料となった。

損保ジャパン・グローバル運用部グループリーダーの砺波政明 氏は、「海外市場の地合いを引き継いだほか、日経平均株価が下落 したことを受けて買いが入った。ただ、株価が下げ渋った後は、債 券も伸び悩んだ」と指摘。「数週間前に日経平均が8000円を下回 ると、リスク許容度が低下し、債券に利益確定の売りが出たが、足 元では債券へと資金が流れる『質への逃避』の動きとなっている」 と述べた。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比15銭高の139円 65銭で取引を開始。その後は、買いが膨らみ、日中高値139円97 銭まで上昇、約1カ月半ぶりの高値をつけた。午後は、株価の下げ 渋りを受けて、徐々に上げ幅を縮小し、日中安値139円59銭まで 伸び悩んだ。結局、11銭高の139円61銭で終了した。3月物の日 中売買高は1兆5937億円。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、米 銀大手シティグループが連邦当局と協議を進めており、同行への政 府出資比率が引き上げられる可能性があると報じた。米政府は最終 的にシティの普通株の最大40%を取得する可能性があるという。

日経平均株価は続落。一時200円超の大幅安となった後、徐々 に下げ幅を縮小し、前週末比40円22銭安の7376円16銭で取引 を終了した。

SFCGはこの日、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立て て受理された。負債総額は3380億円。今年最大の上場企業の経営 破たんとなる。

新発10年債利回りは1.27%

現物債市場で新発10年物の298回債利回りは、前週末比2ベ ーシスポイント(bp)低い1.25%で取引開始。その後は、徐々に低 下幅を縮小し、午後3時半過ぎは前週末比変わらずの1.27%で推移 している。

超長期債は堅調。新発20年債利回りは2bp低い1.89%、新発 30年債利回りは1bp低い1.905%で推移している。

三菱東京UFJ銀行円貨資金証券部副部長の峯島泰樹氏は、 「株が軟調となったので、債券は買われた」と説明。シティグルー プへの政府出資比率引き上げ報道については、「直接的な影響はな いが、信用リスクが後退し、信用市場が変わると影響してくると思 う」と語った。

一方、中期債は弱含み。新発5年債利回りは1.5bp高い

0.71%、新発2年債利回りは1bp高い0.385%で推移している。

20日の米国債相場は反発。銀行国有化の観測から株価が大幅 安となり、安全な米国債へ資金が流れた。一方、米株式相場は下落。 S&P500種株価指数は週間ベースで下落、ここ3カ月で最大の値 下がりだった。

あす20年債入札、1.9%リオープンか

財務省はあす20年利付国債価格競争を入札実施する。表面利 率(クーポン)は前回1月27日入札の108回債と同じ1.9%で、 リオープン(銘柄統合)が予想されている。発行額は前回債と同じ 9000億円程度。

大和証券SMBC債券調査部シニアJGBストラテジストの小 野木啓子氏は、「業者筋のショートカバー(カラ売りの買い戻し) 需要がまちまちなので、フタをあけて見なければ分からない。来週 は30年債入札も続くので、超長期債は、あす午前中に調整の動き になるのではないか。きょうは地合いが強く、超長期債も買われて いる」と述べた。

三菱UFJ証券債券ストラテジストの稲留克俊氏は、「割安感 と需給面のサポートから無難入札」を予想している。

--共同取材 東京 宋泰允 Editor: Hidekiyo Sakihama Tetsuzo Ushiroyama

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