企業金融支援オペの応札が半減、実施回数の倍増で資金調達を急がず

日本銀行に差し入れた担保の範 囲内で無制限に資金を借りられる企業金融支援特別オペでは、応札 額が前回までの半分以下に急減した。19日の金融政策決定会合でオ ペが毎月2回から毎週1回に倍増されることが決まり、金融機関が 応札を急がなくなったという。期間が長めの3カ月物になり、担保 の手当てが難しくなった面もあるもようだ。

4回目となるこの日の企業金融支援特別オペ(2月26日-5月 26日)は応札額が5771億円と、3回(2月16日-4月10日)の 1兆3834億円から急減した。1回目(1兆2248億円)や2回目 (1兆2883億円)に比べても減少が鮮明になった。

今回のオペは前週の決定会合で決まった追加分で、今後は3カ月 物を中心に供給される。オペの金利は0.1%に固定されており、いつ応 札しても条件は同じだが、オペの実施期限が3月末から9月末まで延長 され、12月末までの資金手当てが保証されている。

国内大手銀行の資金担当者は、特別オペが毎週実施されること になり、慌てて応札する必要がなくなったと話す。これまでは予想 以上に応札が集まっていたが、半減しても違和感はないという。

担保は証書貸付が増加

日銀は当初、企業金融オペについて3兆円程度の応札を見込ん でいたが、すでに4兆4736億円の応札が集まっており、需要はおう 盛。同オペは企業向けの証書貸付債権や手形貸付債権、社債やコマ ーシャルペーパー(CP)などを共通担保として資金が借りられる。

日銀が公表した1月末の受入担保残高によると、企業向け証書 貸付債権は前月末比6155億円増の1兆8320億円だった。社債は 2332億円増の1兆3383億円、一般手形は906億円増の1兆8263 億円、CPは2899億円で横ばいだった。

一方、別の国内大手銀の資金担当者は、9月末までオペが延長 されたことで、期間が1カ月物でも3カ月物でも効果は同じだと指 摘。手形貸付債権など担保の性質によっては、1カ月物の方が応札 しやすい面もあると話していた。

企業オペとTIBOR

日銀の白川方明総裁は19日の会見で、企業向け貸し出しの基準 金利になっているTIBOR(東京銀行間貸出金利)の高止まりに ついて、「金融機関の流動リスクと金融機関が認識する企業のクレ ジットリスクが高止まりにつながっている。今回の企業金融支援特 別オペレーションは、流動性リスクと金融機関が感じるクレジット リスクに対して働きかけていく効果がある」との見方を示している。

一方、この日のユーロ円TIBOR3カ月物は0.70769%、日 本円TIBOR3カ月物は0.71583%と、いずれも10営業日ぶりに 下げ止まった。企業の運転資金需要で銀行貸し出しが増えるなか、 企業の信用リスクを考慮すると、日銀による有担保の資金供給オペ だけでは効果が限られる面もある。

ただ、国内大手銀の担当者は、日銀による資金の供給量自体が 増えているため、緩やかながらTIBORの低下方向は変わらない という。日銀は企業金融支援関連のオペを積極的に実施しつつ、国 債買い現先オペや共通担保オペでも潤沢な資金供給を続けている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE