米ディーゼル油:ガソリンより割安になる可能性も-精製会社に打撃

米国のディーゼル油価格がガソリン を下回りつつある。過去2年間のほとんどの期間、ディーゼル油価格は ガソリンを上回っていた。世界的なリセッション(景気後退)の影響で 需要は減退し在庫が増加している。

ブルームバーグ・ニュースが集計したデータによると、ニューヨー ク港のディーゼル油価格は年初来で14%下落し、ガソリン1ガロン当た りの価格を14セント上回る水準となっている。ガソリン価格は9%上昇 している。石油専門の調査会社エナジー・セキュリティー・アナリシス (ボストン)のアンドルー・リード氏は、4月から同じ留出油のヒーテ ィングオイル(暖房油)の需要が拡大する秋季までの間に、ディーゼル 油価格は、最大20セント下落するとみている。

個人消費の低迷により物品の輸送量が落ち込むなか、米国トラック 協会のトラック載貨トン指数は2008年12月に前年同月比で14%下げ、 1996年以降で最大の下落率を示した。米エネルギー省(DOE)による と、09年1月の米国のディーゼル油とヒーティングオイルの消費量の落 ち込みは、ガソリンの7倍となった。1月のディーゼル油在庫は1億660 万バレルと、少なくとも1993年以来の高水準となった。

リード氏は「4月までにガソリン価格は上昇するだろう」と予想。 「ヒーティングオイルの消費時期を過ぎると」、留出油の価格を決定する 主な材料は「ディーゼル油の需要になる」と指摘。「実需の軟調さが表面 化するだろう」との見方を示した。

国際エネルギー機関(IEA)によると、リセッションの影響で世 界の原油需要は今年、日量100万バレル減の8470万バレルとなり、1982 年以降で最大の落ち込みになると予想される。ニューヨークの原油相場 は過去最高値の147.27ドルに達した昨年7月以降、74%下落し、今年2 月20日終値は38.94ドルだった。DOEによると、原油はディーゼル油 の小売価格の39%を占める。

トラック業界にはプラス

米バレロ・エナジーと米マラソン・オイルはディーゼル油の増産に 向け両社合わせて少なくとも60億ドル(約5600億円)を投資しており、 需要後退はこれらの石油精製会社にとって打撃となっている。石油精製 マージンが縮小するなか、両社の株価は前年同期比で50%以上下落。S &P500総合石油・ガス株指数の下落率は29%にとどまっている。

一方、コスト低下はトラック輸送業界にとってプラスとなっている。 米国トラック協会によると、同業界の08年下期(7-12月)の企業破 たん件数は61%減少した。

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