東京外為:ドル・円もみ合い、日米悪材料を嫌気-米銀国有化懸念も

朝方の東京外国為替市場ではドル・ 円相場が1ドル=93円台半ばから前半を中心にもみ合う展開となっ ている。景気悪化や政治の混迷といった円の弱気材料がくすぶる一方、 米国では銀行大手の国有化懸念など金融不安が払しょくされず、積極 的にドルも円も買いづらい状況となっている。

先週は1月6日以来となる1ドル=94円46銭までドル高・円安 が進んだが、20日の海外市場では一時、92円52銭までドルが反落。 その後、米国株が下げ幅を縮めたこともあり、ドルは93円台を回復し たが、週明けの取引では93円65銭で上値を抑えられる格好となって いる。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、米国で は一部銀行の国有化をめぐるうわさが飛び交い、民主党のドッド米上院 銀行委員長がその可能性に言及したことから、ドルの上値は重いと指摘。 一方で、日本についても、内閣の支持率低下で解散が視野に入るなか、 「景気対策が遅れるとの不安感」を背景に円に売り圧力がかかりやすい 面があるとみている。

また、米国では今週、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長が議会証言を行うほか、住宅関連指標を中心にマクロ経済指標の 発表が相次ぐ。オバマ米大統領は先週、7870億ドル規模の景気対策法 案に署名、総額2750億ドル規模の住宅支援策も発表したが、予想を下 回る指標が相次げば、景気悪化スピードに政策対応が追いつかないと の懸念が高まり、株価やドルの下押し圧力につながる可能性がある。

一方、国内でも27日を中心に1月の失業率や鉱工業生産など注目 の経済指標が目白押しで、急激な景気悪化が改めて浮き彫りとなる見 通しだ。

米銀の国有化懸念

20日の米株式市場ではシティグループとバンク・オブ・アメリカ (BOA)の株価が急落。米政府による国有化懸念が高まったことが 背景で、ダウ工業株30種平均は一時1997年以来の安値(終値ベース) を割り込んだ。

その後、BOAのケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)が自 力でリセッション(景気後退)を乗り切ることは可能と表明。ホワイ トハウスのギブス報道官もオバマ政権が「民間が保有する銀行システ ム」を望んでいると述べたため、株価は下げ幅を縮小した。

もっとも、クリストファー・ドッド米上院銀行委員長(コネティ カット州、民主党)は、銀行が「短期間」、公的管理下に入る必要が 出てくる可能性を指摘しており、金融機関の国有化懸念は払しょくさ れていない。

米経済ニュース専門局CNBCによると、米財務省は今週、金融 システム支援計画を発表する。また、21日付の英紙フィナンシャル・ タイムズは、米銀のストレステスト(資産査定)が実施され、直ちに 資本が必要と判断された銀行は一部国有化される可能性や、連邦預金 保険公社(FDIC)を通じて完全に国有化される公算もあると伝え ている。

欧州金融不安

一方、前週末には対ドル、対円でユーロの買い戻しが進んだが、 中東欧の経済混乱を背景に欧州金融不安がくすぶるなか、積極的にユ ーロの上値も追いにくい。

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ノボトニー・オ ーストリア中銀総裁は、国営のオーストリア放送会社(ORF)で放 映されたテレビのトークショーで、東欧の金融危機について、「可能 な限り最大の協調策を策定する必要がある」と語った。

ユーロは対ドルで前週末に1週間ぶり高値、1ユーロ=1.2884ド ルを付けたが、週明けの取引では1.2800ドルを割り込む展開となって いる。ユーロ・円相場も1ユーロ=119円台前半と、前週末に付けた 119円99銭を下回る水準で推移している。

--共同取材 三浦和美 Editor: Tetsuzo Ushiroyama,Norihiko Kosaka

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