日本株は続落へ、金融不安くすぶり銀行売り継続-リスク回避姿勢鮮明

週初の東京株式相場は、続落が予想 される。世界的な金融不安がくすぶり、先週末に52週安値を更新したみ ずほフィナンシャルグループなど銀行株への売り圧力が続きそう。安全 資産との位置付けで金先物が買われるなど、投資家のリスク回避姿勢は 一段と強まっており、株式市場では幅広い業種、銘柄からの資金流出が 見込まれる。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「米国金融機関の国有化 に対する疑心暗鬼に左右される相場展開が当面続く」と指摘。先週末に は米銀行の国有化観測が浮上し、「米銀株の株主価値低下への懸念から、 世界的な金融不安が強まっており、きょうの日本株も下押し圧力を受け やすい」と見る。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の20日清算値は 7295円で、大阪証券取引所の同日の通常取引終値(7380円)に比べて 85円。先週末の日経平均株価終値は7416円38銭と、約4カ月ぶりに7500 円を割り込んだ。

米上院銀行委員長が銀行の国有化必要とも

米国では20日、民主党のクリストファー・ドッド米上院銀行委員長 が、シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)といった米銀 支援で、銀行が「短期間」、公的管理下に入る必要が出てくる可能性を 指摘した。ドッド委員長はブルームバーグテレビジョンの番組で、「こ うした状況は全く歓迎しないが、あり得る」とし、「最終的に、少なく とも短期間はそうせざるを得ない可能性を懸念している」と述べた。

ドッド氏の発言内容が伝わったことをきっかけに、20日の米株式市 場では、政府の金融機関救済で銀行が国有化され、その結果株主の利益 が失われるとの観測が強まった。シティグループが22%下げて18年ぶ りの安値を記録するなど金融株が売られ、S&P500種の金融株指数連 日で52週安値を更新した。主要株価指数は軒並み下げ、ダウ工業株30 種平均が前日比100.28ドル(1.3%)安の7365.67ドル、ナスダック総 合指数は1.59ポイント(0.1%)安の1441.23で終えた。

ギブズ大統領報道官は20日の記者会見で、米政府は「民間が保有す る銀行システム」の維持を望んでいると発言したが、株価の下支え効果 は限定的だった。また、ギブズ報道官は、米経済はオバマ米大統領にと って引き続き「最も重要な課題」だと指摘、経済立て直しは「長い道の りになる」とオバマ大統領が確信していると説明するとともに、株価下 落は大統領の政策に対する反応ではないとの見解も示した。

NY金先物が1年ぶり1000ドル突破

一方、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物相場4月限は20日、前日比25.70ドル(2.6%)高い1オンス=

1002.20ドルで終了。株安と金融不安や景気後退の深刻化を背景に投資 家の不安が高まり、価値保存手段として着目された金に資金が流入、N YMEXの金先物相場はほぼ1年ぶりに1オンス=1000ドルを突破し た。金需要の高まりとともに、金連動型ETF(上場投資信託)の金保 有量は過去最大に膨らんでいる。

商品調査会社ロジック・アドバイザーズ(ニュージャージー州)の パートナー、ウィリアム・オニール氏は「金融システムの混乱に対する 懸念が広まっており、これが世界中の市場を圧迫している」と指摘。「悪 材料が重なり、安全資産として金の需要が強まっている」と語った。金 先物は、2008年に相場が上昇した唯一の金属先物であり、2000年以来毎 年相場が上昇している。今年初来の上昇率は13%。

GM傘下のサーブ破たん、自動車関連逆風

スウェーデンの自動車メーカー、サーブ・オートモービルが20日、 国内法の下での会社更生を申請した。親会社の米ゼネラル・モーターズ (GM)が20年にわたり不採算だった同事業からの撤退を決め申請に至 った。サーブはGMの世界的な事業見直しの一環として、会社更生申請 を決定。更生手続きは3カ月で終了する見通し。サーブは裁判所の管理 下で「完全に独立した企業」への再生を目指すという。

サーブの経営破たんについては、スウェーデン政府からの金融支援 が得られなかったほか、世界的な新車市場の不振で他の自動車メーカー も支援に乗り出す余裕を欠くことが背景にある。自動車業界を取り巻く 環境の厳しさが一層鮮明になり、自動車メーカーや部品関連株への逆風 となる可能性もある。

SFCG破たんでその他金融売り、素材は買いも

資金繰り悪化を理由に、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立て て受理されたSFCGに売りが殺到する見通し。SFCGと同業のその 他金融業種で、連想売りが広がる可能性もある。中国の石油最大手、中 国石油天然ガス集団(ペトロチャイナ)との大阪製油所の共同運営開始 を延期すると発表した新日本石油、09年3月期の連結経常損失が従来の 15億円から95億円に赤字幅が拡大する見通しの福井銀行も売られそう。

半面、23日付の日本経済新聞朝刊で、傘下の日鉱金属が在庫調整の 進展に伴い減産を緩和すると伝わった新日鉱ホールディングス、三菱ケ ミカルホールディングス、昭和電工など素材株の一角が買われそう。中 国で高速鉄道車両用の駆動装置を受注した、と22日付の日経新聞朝刊で 報じられた東洋電機製造も上昇する可能性がある。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE