【今週の債券】もみ合いか、経済指標悪化が支援-米金利上昇を警戒

今週の債券相場はもみ合いが予想 される。鉱工業生産など週末発表の経済指標はいずれも悪化が見込まれ ており、予想通りに景気の一段の落ち込みを示すと相場の支援材料とな りそうだ。半面、米国債市場では国債発行増加で需給懸念が強まってお り、米長期金利が上昇すれば、円債相場の上値を抑える可能性が高い。

10年債利回り予想レンジ1.22-1.35%

新発10年債利回りについて、20日夕までに市場参加者4人にヒ アリングしたところ、全体の予想レンジは1.22%から1.35%となった。 前週末の新発10年債(298回債)の終値1.27%を挟んだ推移が見込ま れる。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、今週 の債券相場について、「先週の新発10年債利回りのレンジ(1.245-

1.295%)から大きく逸脱することは考えにくい。不安材料は米国市場 が挙げられ、強気シナリオとしては、日銀金融政策への催促相場が始ま ることだ」と予想する。

27日には鉱工業生産、全国消費者物価指数(CPI)など月次の 重要指標が発表される。ブルームバーグ・ニュースの調査によると、1 月の鉱工業生産は前月比10.0%の低下と、低下率は前月に続いて過去 最大を更新する見込み。1月の全国コアCPIは、前年同月比0.1%低 下と、マイナスに転じる見通し。

一方、前週末の株式市場は、日経平均、TOPIXともに年初来安 値を更新した。株価は景気の先行指標とされるので、本来、株安は債券 の買い材料だ。しかし、日経平均が約3カ月ぶりに心理的節目の7500 円を割り込んだ18日の債券市場では、3月決算に向けた益出しの売り が目立った。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジス トは「期末を控えて銀行勢に余裕がなく、益出し売りが出やすい5年債 を中心に上値が重くなる」という。

米国債市場では、国債大量発行に伴う需給懸念が根強い。米10年 債利回りが再び3%の大台に接近するような上昇となれば、連動性の高 い円債相場にマイナスの影響を及ぼす可能性が高い。

米財務省は前週、今週実施の2年債と5年債、7年債の入札規模が 総額で過去最大の940億ドルになると発表した。みずほインベスター ズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミストは「米連邦準備制度理 事会(FRB)は国債買い入れに消極的な姿勢を見せており、入札によ る大量供給に向けて需給不安が高まっている」と説明する。

20年債入札に注目、クーポン1.9%か

今週は24日実施の20年利付国債入札(2月債)が注目される。 前週末の入札前取引で2月発行の新発20年債複利利回りは1.915%付 近だった。このため、表面利率(クーポン)は、前回債と同じ1.9%と なる見通し。発行額は前回債と同じ9000億円程度。

20年債入札について、市場では「クーポン1.9%でも生命保険の 買いが期待できるため、無難な結果となる」(大和住銀投信投資顧問の 伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー)との見方が出ている。

一方、26日には2年利付国債(3月債)の入札が実施される。ク ーポンは前回債と同じ0.4%が見込まれている。発行額は前回債と同額 の2兆円程度。

市場参加者の予想レンジとコメント

20日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月の3月物、新発10年国債利回りは298回債。

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー

先物3月物138円40銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.22%-1.32%

「もみ合い。前週の日銀金融政策決定会合でターム(期日)物金利 低下を促す政策がやや期待外れとなった影響で、長期金利は低下しにく い。週初は20年債入札に向けた売りが出そう。入札でクーポンが

1.9%に据え置かれても生命保険などからの買いが入り、無難な結果と なりそうだ。週末発表の経済指標は総じて弱い内容となる見通しだ」

◎トヨタアセットマネジメント・浜崎優シニアストラテジスト

先物3月物138円75銭-139円75銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「もみ合い。世界的に財政支出が増えており、日本も同様で、景気 後退にもかかわらず、対策強化観測で金利が低下しにくくなっている。 期末を控えて銀行勢に余裕がなく、益出し売りが出やすい5年債中心に 上値が重そう。週末発表の指標が悪いことは織り込み済みだが、生産が 下振れすれば、来年度補正の規模拡大観測が浮上する可能性がある」

◎三井住友アセットマネジメント・堀川真一保険資産運用第1グループ ヘッド

先物3月物138円80銭-140円00銭

新発10年債利回り=1.23%-1.31%

「20年債入札は、問題ないだろう。20年ゾーンは、30年債に比 べて割安なので波乱が伴いにくい。月末接近で、年金などから年限長期 化の買いが入り、長いゾーンがしっかりするのではないか。外部環境で 米国債・為替動向次第。大幅に円安や株安が進めば波乱含みとなる。も っとも、最近では債券市場の売買高が少ないので、全般的に静かな展開 が続くとみている」

◎みずほインベスターズ証券・落合昂二シニアマーケットエコノミスト

先物3月物139円00銭-139円90銭

新発10年債利回り=1.23%-1.32%

「債券需給を試す展開。国内では20年と2年債入札が実施され る。一方、3月は国債の大量償還月であることから、2月最終週の今週 は年限の長期化を狙った取引が見込まれる。日本証券業協会のデータに よると、1月は信託銀行による債券買い越しが復活し、今後も継続する 可能性がある。一方、米国債入札は波乱含み。今週の合計額は940億 ドルに上り、需給不安が高まっている」

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuki Murotani

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