三菱東京UFJ銀行、トヨタが大型起債―社債ラッシュの前兆

三菱東京UFJ銀行とトヨタ自動車 が20日、相次いで大型社債を起債した。景気悪化に伴う株価の低迷で、 新規株式の売却などによる資金調達が厳しいだけに、社債市場が企業の 資金確保先として一段と重要になりそうだ。投資家からは高格付けの社 債に対する運用意欲が確認されるなど社債ラッシュの前兆が出ている。

三菱東京UFJ銀は、資本に組み込むことができる国内劣後債を 4500億円起債した。同行が昨年8月に発行した同じ年限8年の劣後債と 比べると、今回の方が投資家にとっては魅力的だ。ブルームバーグ・デ ータによると、今回の劣後債の国債に対する金利上乗せ幅(スプレッド) は184bp程度で、前回のスプレッドと比べ75bp相当を余分に投資家は受 け取ることになる。

JPモルガン・アセットマネジメント債券運用部長の国部真二氏は 「社債に対しては基本的には慎重ながら、水準次第では買っても良いと みている。世界的に信用緩和で各国中銀の政策が打ち出されている。10 月以降にエクスポージャーを落としていたが、クレジット市場の落ち着 きを反映して、少し戻していこうと考えている」と語った。

トヨタ自動車は国内普通社債(SB)総額2000億円を起債した。2002 年9月の起債以来、約6年半ぶりに社債市場で資金を調達する。トヨタ 債の格付けは、ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズ(S& P)が6日に最上級の「トリプルA」から1段階引き下げたばかり。今回 は格下げ後初の起債となる。

富国生命保険取締役財務企画部長の桜井祐記氏は「トヨタ自動車の 発行条件などをみると、悪くはない。ただ年度末が近いので、3月末ま でを考えると買いたいほど条件の良いものはなかなかない。4月以降に なれば運用難を考えて社債も関心がある」と話す。

ただ、需給面からは不安要因もある。国内企業の資金不足を警戒す る声が聞かれるためだ。ゴールドマン・サックス証券は19日付の投資家 向けリポートで、フリーキャッシュフロー(純現金収支)がマイナスに 転じる企業が増加している点に着目し、多くがいずれ何らかの形で資金 調達を行う必要性があると指摘した。少なくとも調達計画が株価にネガ ティブな影響を与える可能性があると言う。

同証券は、あとどれくらいで会社の手元資金がなくなるかを示す「現 金燃焼率」の分析などを基に、キャッシュ残高の低い企業として住友金 属工業、神戸製鋼所、三菱重工業などを例に挙げている。

同証券によると、2008年10-12月期決算時点のペースで現金の燃 焼が続いた場合、1年以内にキャッシュを使い尽くしてしまう企業は、 底をつくまでの日数が早い順に、住金(73日)、神戸鋼(153日)、三菱 重(217日)、コマツ(271日)、日立建機(283日)、新日本製鉄(292 日)、スズキ(308日)の7社となる。こうした企業は、資金確保のため に株式ではなく、負債での調達になる見込みという。

--共同取材 東京 河野 敏 Editors: Hidekiyo Sakihama Masashi Hinoki

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