日本株(終了)TOPIX終値は10月安値更新、金融中心に一段安

週末の東京株式相場は反落し、T OPIXの終値は昨年10月27日の安値を割り込んだ。世界的な金融 不安が根強く、午後一段安となったみずほフィナンシャルグループや三 菱UFJフィナンシャル・グループが52週安値を更新。企業業績への 懸念で東芝やファナックなど電機株、ゴム製品株、小売株も売られた。

ニッセイアセットマネジメントの豊島太郎チーフ・ポートフォリ オ・マネジャーによると、「これまで景気と政策との綱引き相場が続い たが、市場は現在の政策では景気悪化の歯止めに十分ではないとの見方 に引っ張られている」という。昨年10月の安値時は、恐怖心からの緊 急避難的な売りだったが、「いまは業績悪化に比例して、冷静に売られ ている」と、豊島氏は指摘した。

日経平均株価の終値は前日比141円27銭(1.9%)安の7416円 38銭、TOPIXは12.06ポイント(1.6%)安の739.53で、1984 年1月5日(737.39)以来の低水準。東証1部の売買高は概算で18億 9393万株、売買代金は同1兆1675億円。値上がり銘柄344、値下が り1269。東証業種別33指数は、鉱業と保険を除く31業種が安い。

日経平均は10月27日以来の7300円台

景気懸念、金融不安、需給悪が重なり、日経平均は一時175円安 の7382円まで下落。当面の下値めどと見られていた昨年11月21日の 取引時間中の安値7406円を一時割り込んだ。欧米株式が昨年秋の安値 を割り込む中でアジア株は相対的に堅調だったが、「政治に期待できず、 国内要因からの買い材料がない日本株はアジアの中でネガティブに見ら れている」(ニッセイアセットの豊島氏)。

TOPIXが昨年秋の終値をいち早く割り込んできたのは、銀行な ど金融セクターの下げが響いている。きのうの米国ではバンク・オブ・ アメリカ(BOA)やシティグループが14%安となるなど、銀行株が 急落した。金融安定化法案の不良債権買い取りスキームが明確化しない 中、実体経済の悪化で不良債権は拡大するとの不安感が強い。「市場は 金融機関の追加損失計上に伴う世界的な公的関与の強まりを懸念してい る。売買低迷も金融問題による影響が大きい」(野村証券投資情報部の 品田民治課長)という。

クレジットリスク警戒も

一方、国内では、極端な企業業績悪化により企業の信用リスクが拡 大していることも、国内銀行株のクレジットコスト増加懸念となり、下 げ拡大の一因となっている。この日はゴールドマン・サックス証券が1 株純資産き損リスクは出尽くしていないとした東芝、日興シティグルー プ証券が、実績1株純資産が9月末から12月末に大幅に悪化したこと はネガティブとしたブリヂストンが急落した。

米フィラデルフィア地区製造業景況指数、北米半導体製造装置受注、 米ヒューレット・パッカードの業績悪化など、景気や業績の厳しさを示 すニュースも相次いでいる。トヨタアセットマネジメント投資戦略部の 浜崎優シニアストラテジストは、「景気の出口が見えない。企業業績が 悪いのは分かっていたが、分かっていた以上に悪いので、さらに先行き について不安になる負の連鎖に陥っている」と見ていた。

外国人売りへの不安

また、需給面も警戒された。東京証券取引所が19日に発表した2 月第2週(9-13日)の投資主体別売買動向によると、外国人は5週 連続で売り越した。午前に発表された1月の海外投資家地域別株券売買 状況では、金融不安の高まる欧州地域からの売越額が5578億円と前月 (4030億円)から拡大した。

三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「日本の 景気や政治への不安がくすぶっているところに、海外からのファンドの 解約売りとみられる売りが上値を重くしている」と指摘。特に今週に入 ってからは、「エービーシー・マートやニトリなど、外国人投資家の持 ち株比率の高い内需関連に売りが相当出ている」(同氏)という。AB Cマトは5.5%安、ニトリは4.3%安でともに5日続落し、小売指数は 東証1部業種別33業種の中で下落率2位に沈んだ。

ブリヂストが急落、住友鉱にぎわう

個別では、09年12月期の連結純利益が前期比71%減見通しのブ リヂストン、米格付け会社のスタンダード&プアーズが長期格付けを1 段階引き下げたエルピーダメモリが急落。08年12月期の連結最終損益 が一転して赤字に転落したもようのスミダコーポレーションも大幅安。 公正取引委員会から立ち入り検査を受けている、と発表したセブン&ア イ・ホールディングスは大幅続落。

半面、騰勢局面にある銅相場や金相場が追い風となり、住友金属鉱 山は急反発で東証1部売買代金1位とにぎわった。株価は過剰に希薄化 のリスクを織り込んだとして、日興シティグループ証券が格上げしたT &Dホールディングスは一時値幅制限いっぱいのストップ高まで買われ た。会計処理問題を巡り、創業者の新井隆二会長が20日付で相談役に 退くことが分かったと20日付の日本経済新聞が伝えたビックカメラ、 クレディ・スイス証券が09年度の増益確保のイメージを確認したとコ メントした三菱ガス化学も急伸。

ジャスダックが5年10カ月ぶり安値

新興市場もそろって続落した。ジャスダック指数の終値は前日比

1.36ポイント(3.2%)安の40.62と続落し、約5年10カ月ぶりの安 値となった。東証マザーズ指数は4.86ポイント(1.6%)安の297.30 と7日続落し、約3カ月ぶりの安値。大証ヘラクレス指数は11.06ポイ ント(2.4%)安の459.12と、約4カ月ぶりの安値。

個別では、08年12月期の最終損益が一転して赤字となったもよう のフォーサイド・ドット・コムが急落。一時会計監査人であるKDA監 査法人との監査契約を19日付で合意解除することを決議したインスパ イアーがストップ安となった。売買代金上位ではジュピターテレコム、 フリービット、ミクシィ、エン・ジャパンなどが軒並み急落。

半面、企業再生などで実績を残してきた佐山展生氏が代表を務める 投資会社が、1株当たり2121円で20日から株式公開買い付け(TO B)を実施している佐藤食品工業がストップ高。09年12月期は単独最 終黒字への浮上を計画する大塚家具、出光興産と共同で環境負荷の低い グリーン電力の小売事業に参入すると20日付の日本経済新聞朝刊が報 じた日本風力開発も大幅高。売買代金上位では朝日インテック、ソフト フロントが高い。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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