東京外為:ユーロが軟調、欧州金融システム不安根強い-海外株を警戒

東京外国為替市場ではユーロが 軟調に推移した。ユーロ圏当局者の発言を受けて金融危機回避に向け た措置が取られるとの期待感から海外市場でユーロの買い戻しが進ん だものの、東欧発の金融システム不安は根強く、再び売りが優勢とな った。

中央三井信託銀行総合資金部の北倉克憲主席調査役は、中東欧の 通貨が買い戻される局面もみられていたが、再び売られており、引き 続き「安心できる状況ではない」として、ユーロの上値の重さを指摘。 また、米政府の景気対策についても、発表まではスピード感があった ものの、それ以降は株安が進むなど、市場が依然として落ち着いた状 況とは言い難く、リスク回避的なユーロ売り・ドル買いの動きになり やすいとみている。

この日のユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.2577ドルと、前 日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.2674ドルからユーロが下 落した。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=118円31銭までユーロ安・円高 が進行。前日の海外市場では一時120円34銭と、1月19日以来、1 カ月ぶりの水準までユーロが値を戻していた。

欧州金融危機くすぶる

欧州連合(EU)のトレス報道官は19日、ブリュッセルで記者 団に対し加盟国のいずれかが「資金難に陥った場合は、ハンガリーや ラトビアに対して実施した措置と同様の支援が可能だ」と発言。18日 には、ドイツのシュタインブリュック財務相がユーロ圏内のいずれか の国が支払い困難に陥った場合には「行動する」と表明していた。

半面、イタリアのベルルスコーニ首相は、19日に行ったイギリス のブラウン首相との会談後の記者会見で、銀行国有化について「現在 は、一部から浮上した仮説にすぎないが、われわれは検討中だ」と述 べており、金融システムが不安定化するリスクはくすぶっている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブ・FX ストラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、欧州新興国の情勢不安が続 く限り、同地域からの資金流出は続く可能性が高いと指摘。「ファン ダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に焦点が戻れば、ユーロを買う 材料はない」とみている。

米景気懸念がドルに重しも

一方で、前日に米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表し た1月の米景気先行指標総合指数(LEI)は市場の予想を上回る伸 びとなったものの、フィラデルフィア連銀発表の2月の同地区製造業 景況指数は大幅に悪化。また、労働省発表の2月7日に終わった1週 間の失業保険継続受給者数は1967年の統計開始以来最高の499万人 に達している。

米国では自動車大手の経営再建の行方が焦点となっているが、オ バマ大統領は自動車産業が生き残るには「大規模なリストラ」が必要 だとの認識を示し、同業界に「深い懸念」を表明。同業界の動向次第 ではリセッション(景気後退)が一段と深刻化する可能性も懸念され る。

ドル・円相場はこの日の東京市場では、1ドル=94円ちょうどを 挟んでのもみ合いが継続。一時は93円96銭までドルが水準を切り下 げる場面もみられた。前日の海外市場では対ユーロでの円売りが波及 する形となり、一時94円46銭と、1月6日以来の水準までドル高・ 円安が進行していた。

中央三井信託銀の北倉氏は、ドルが急激に上昇したため、この日 はやや「一服気味」になったと指摘。海外市場にかけては、「前日の 米株が金融関連銘柄を中心に下げていることから、一段安の展開が警 戒される」としている。前日の米株式市場では、ダウ工業株30種平 均が6年ぶりの安値まで下落。株価指数先物も引き続きマイナスで推 移している。

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