2月19日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株とNY外為を最新版に差し替えます)

○米国株:米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は6年ぶり安値に 下げた。パソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)が利益予想を 引き下げたことが嫌気されたほか、クレジットカードのデフォルト(債 務不履行)増加懸念から、金融株が売られた。金融株指数は1995年以 来の低水準だった。

HPは7.9%安。S&P500種に採用されているテクノロジー株も 下落した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループが下落。 プルデンシャル・ファイナンシャルも安い。同社は格付けを引き下げら れたたために、政府の資金支援プログラムへの参加資格を失った。

S&P500種株価指数は前日比1.2%安の778.94。ダウ工業株30種 平均は89.68ドル(1.2%)安の7465.95ドル。ラッセル2000指数は

1.5%安だった。

オークブルック・インベストメンツのジリ・チェルクーリ氏は「市 場参加者は景気悪化の深刻さを受け止め、そしてテクノロジー株や企業 の今後の設備投資にどのような影響をもたらすのかを理解しようと努力 している」と語った。

フィラデルフィア連銀が19日に発表した2月の同地区製造業景況 指数はマイナス41.3と、前月のマイナス24.3からマイナス幅が拡大し た。マイナス幅は1990年10月(マイナス48.2)以来の最大。

ヒューレット・パッカード

HPは04年8月以降で最大の値下がりを記録した。同社が発表し た2008年11月-09年1月(第1四半期)決算は、売上高がアナリス ト予想を下回った。

同社はまた、パソコン需要の低迷に伴い、今年度(09年10月期) の利益見通しを下方修正した。発表文によると、今年度は買収関連コス トを除いた1株利益が3.76-3.88ドルになる見通し。従来予想では同

3.88-4.03ドルだった。

ブルームバーグのデータによると、1月12日以降に発表されたS &P500種採用企業394社の四半期決算は平均33%の減益だった。

銀行の国有化

BOAは5営業日連続の下落。シティグループは17年ぶり安値で 取引を終了した。

S&P500種金融株価指数は5.2%下げて、1995年1月以来の安値 をつけた。フィッチ・レーティングスはプルデンシャルの短期債格付け を引き下げた。

メンドン・キャピタル・アドバイザーズの運用担当者、アントン・ シュッツ氏によると、投資家は政府が一部銀行を国有化するとみている と語る。特にBOAとシティはこの見方を背景に売られている。国有化 が実現した場合、株価の価値は失われる。

○米国債:米国債相場は続落。1月の米生産者物価指数(PPI)が予 想以上に上昇したことから売りが出た。また来週の入札では、応札引き 寄せのために利率が引き上げられるとの観測も相場を押し下げた。

PPIがインフレ高進の兆候と受け止められ、米国債利回りは同統 計発表後にこの日の最高水準に上昇した。米財務省は来週の2年債と5 年債、7年債の入札規模が総額で過去最大の940億ドルになると発表し た。

サントラスト・バンク(フロリダ州パームビーチ)の個人資産部門 のストラテジスト、アンドリュー・リッチマン氏は「PPI統計は一部 の投資家の意表をついた」と指摘。「いずれインフレ圧力が強まる。そ の兆候が今、表面化し始めた」と付け加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後3時46分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇して2.85%。前日は11bp上昇していた。 10年債(表面利率2.75%、2019年2月償還)価格は 23/32下げて99 5/32。30年債利回りは10bp上昇の3.65%。

米労働省が発表した1月のPPI全完成品は、前月比0.8%上昇し た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は

0.3%の上昇だった。

市場は依然デフレ警戒

インフレ率上昇にもかかわらず、米国債利回りは市場の焦点がデフ レに絞られていることを示唆している。2年物インフレ連動債(TIP S)と同年限の通常国債の利回り差は、この2週間近くで最大幅の24 bp拡大し、マイナスの1.55ポイントとなった。利回り差はこの期間 のインフレ見通しを示唆しており、マイナスの数値はデフレ見通しを反 映する。両者の利回りが等しくなるブレーク・イーブン・インフレ率は 昨年12月10日にマイナスの7.14%をつけた。

20日には1月の消費者物価指数(CPI)統計が発表される。エ コノミストの予想中央値は前年比0.1%下落。1955年以来で初めての前 年比マイナスになると予想されている。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが19日に発表した1月の 米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.4%上昇した。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値では0.1%上昇が 見込まれていた。1月は米金融当局が進めている大規模な流動性供給に よる通貨供給量の拡大がマイナス項目を相殺した。

米連邦準備制度理事会(FRB)による貸し出し拡大や証券買い取 りでマネーサプライが膨張しており、インフレ高進を引き起こしかねな いとの懸念が強まっている。FRBのバランスシートは9月10日時点 での9240億ドルから、1兆8000億ドルに膨れ上がった。

マイナス成長継続へ

アトランタ連銀のロックハート総裁は19日の講演で、米国経済は 6月末まで縮小を続けると考えられるが、住宅不振と信用市場の停滞に より、今年下期の回復歩調は緩やかなものにとどまるだろうと述べた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、第1四半期の米 経済は5%のマイナス成長、第2四半期は1.7%のマイナス成長と縮小 が続き、第3四半期以降にプラス成長を再開すると予想されている。

○NY外為:19日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで 反発。過去3カ月の安値付近から値を戻した。東欧関連の銀行損失でユ ーロ圏の金融危機が深刻化するとの懸念が緩和されたことが背景。

ユーロは4日ぶりに上昇。ゴールドマン・サックス・グループは、 ユーロは6%以上値上がりして1ユーロ=1.35ドルに達するとの見通 しを発表した。ドルと円は大半の主要通貨に対して下落。安全資産とし ての需要が弱まった。

クレディ・スイス・グループの通貨ストラテジスト、ダニエル・カ ッツァイブ氏(ニューヨーク在勤)は「欧州が周辺諸国の債務問題を緩 和するために対策を講じるという楽観的な見方があるのかもしれない」 と指摘。「市場のリスクに対するセンチメントも改善しており、ユーロ を若干支えている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時01分現在、ユーロはドルに対して1ユ ーロ=1.2658ドル。一時は1.8%上昇し、1ユーロ=1.2760ドルと、 取引中の水準としては昨年12月30日以来の高値を付けた。18日のユ ーロは昨年11月21日以来の安値となる1ユーロ=1.2513ドルまで下 げていた。カッツァイブ氏は、ユーロは3カ月内に1ユーロ=1.28ド ルで推移するとみている。

この日のユーロは対円で1.6%上げ、119円37銭(前日は117円 50銭)。一時は120円34銭まで上昇し、1月19日以来の高値を付けた。 ドルは円に対して1月7日以来で初めて94円を突破。100日移動平均 線を突破するとドル買いが加速し、1ドル=94円30銭(前日は93円 79銭)。

CIBCワールド・マーケッツの通貨ストラテジスト、アダム・フ ァッジオ氏によると、ドルは売り注文が積まれている1ドル=94円63 銭で上昇が一服する可能性がある。ドルは1月6日以降、その水準に達 していない。

韓国ウォン

韓国ウォンは一時0.9%下げ、昨年12月5日以来の安値を付けた。 輸出の不振と、信用市場の世界的なひっ迫を背景に、韓国が債務返済の ためのドル不足に陥るとの懸念が広がった。韓国銀行(中央銀行)が 19日発表したリポートによると、同国が2009年に返済期限を迎える外 貨建て債務返済額は245億ドル、うち104億ドルはこの1、2カ月で返 済期限を迎える。

ポーランド・ズロチは対ユーロで0.5%下落。朝方の取引では一時 3%上昇していた。チェコ・コルナは0.1%上昇。2月17日には、コル ナは2005年10月以来の安値まで下落、ズロチも米格付け会社ムーディ ーズ・インベスターズ・サービスが東欧に子会社を置く銀行数行の格付 けを引き下げる可能性があると発表したことを受けて急落していた。

ユーロは17日に対ドルで1.7%下落した。ムーディーズの発表を 受けて東欧の金融危機がユーロ圏の経済悪化を深刻化させるとの懸念か らユーロ売りが加速した。ユーロは年初来9%下落している。

ファッジオ氏は「この数日間、市場はユーロを投げ捨てていた。今 日は安心感から上昇に転じている」と語った。

ドイツ政府による救済

メルケル独首相は19日、ベルリンでの記者会見において、ユーロ 圏の金融危機緩和に向けて支援を行うかについて発言を控え、欧州諸国 の相対的な経済力について憶測しないと述べた。

シュタインブリュック独財務相は18日、記者団に対し、ユーロ参 加国が問題に直面すればドイツは「行動する能力を示す」と表明。また、 ユーロの崩壊を織り込むことは「愚の骨頂」と付け加えた。

ヘッジファンド、コンビナトリクス・キャピタルのポートフォリオ マネジャー、ラム・バーガバンチュラ氏は「ユーロがさらに値を戻すと は考えにくい」とし、「周辺諸国の経済は悪化している」と語った。

ドルはノルウェー・クローナに対して2.3%下落。オーストラリ ア・ドルに対しても0.8%下げた。安全資産としての需要が弱まるとの 観測が背景。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.6%低下し、

87.444となった。18日には88.254と、昨年11月21日以来 最高に達 した。同指数は年初来で8%上昇している。

円はノルウェー・クローナに対して2.9%下落。対オーストラリ ア・ドルでも1.4%下げた。日本の投資家が海外資産の保有を拡大する との観測が広まったことが背景。財務省が東京で発表した2月14日ま での週の対外証券投資は1兆5444億円(164億ドル)と、2007年9月 以来の最高に達した。

○英国債:英国債市場では10年債相場が下落。仏銀BNPパリバが年 内の黒字回復の見通しを示したことを受けて、国債需要が後退した。

英政府がこの日、2012年償還の国債32億5000万ポンド相当を入 札したことも材料視された。

10年債利回りは前日比13ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の3.51%。同国債(表面利率4.25%、2019年3月償還) は1.13ポイント下げ108.30。2年債利回りは1.48%と、前日からほぼ 変わらず。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債相場が続落。欧州各国による国債 発行が急増するなか、フランスとスペインがこの日、総計116億ユーロ の国債を入札したことがさらに売りを誘った。

独10年債利回りは1カ月ぶりの低水準付近から上昇した。株式相 場の上昇で国債需要が後退したことが要因となった。ソシエテ・ジェネ ラルによれば、ユーロ圏の各国政府は今年1-3月期に約200億ユーロ の国債を毎週発行する。過去2年間は100億-150億ユーロだった。

野村インターナショナルの欧州金利戦略責任者、チャールズ・ディ ーベル氏(ロンドン在勤)は「全般に供給問題が引き続き大きな問題だ。 市場関係者はこの悪夢を今年いっぱい、繰り返し見なくてはならない」 と語った。

ロンドン時間午後4時15分現在、独2年債利回りは前日比12ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.36%となった。上昇 幅は先月26日以来で最大。同国債(表面利率2.25%、2010年12月償 還)価格は0.22ポイント下げ101.56。独10年債利回りは9bp上げ

3.08%となった。

東京ニューズルーム  +81-3-3201-8900

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE