NY外為:ユーロ反発、金融危機懸念が緩和-ドルと円は下落(2)

19日のニューヨーク外国為替市 場ではユーロが対ドルで反発。過去3カ月の安値付近から値を戻した。 東欧関連の銀行損失でユーロ圏の金融危機が深刻化するとの懸念が緩和 されたことが背景。

ユーロは4日ぶりに上昇。ゴールドマン・サックス・グループは、 ユーロは6%以上値上がりして1ユーロ=1.35ドルに達するとの見通 しを発表した。ドルと円は大半の主要通貨に対して下落。安全資産とし ての需要が弱まった。

クレディ・スイス・グループの通貨ストラテジスト、ダニエル・カ ッツァイブ氏(ニューヨーク在勤)は「欧州が周辺諸国の債務問題を緩 和するために対策を講じるという楽観的な見方があるのかもしれない」 と指摘。「市場のリスクに対するセンチメントも改善しており、ユーロ を若干支えている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時01分現在、ユーロはドルに対して1 ユーロ=1.2658ドル。一時は1.8%上昇し、1ユーロ=1.2760ド ルと、取引中の水準としては昨年12月30日以来の高値を付けた。18 日のユーロは昨年11月21日以来の安値となる1ユーロ=1.2513 ドルまで下げていた。カッツァイブ氏は、ユーロは3カ月内に1ユーロ =1.28ドルで推移するとみている。

この日のユーロは対円で1.6%上げ、119円37銭(前日は117 円50銭)。一時は120円34銭まで上昇し、1月19日以来の高値を 付けた。ドルは円に対して1月7日以来で初めて94円を突破。100 日移動平均線を突破するとドル買いが加速し、1ドル=94円30銭 (前日は93円79銭)。

CIBCワールド・マーケッツの通貨ストラテジスト、アダム・フ ァッジオ氏によると、ドルは売り注文が積まれている1ドル=94円 63銭で上昇が一服する可能性がある。ドルは1月6日以降、その水準 に達していない。

韓国ウォン

韓国ウォンは一時0.9%下げ、昨年12月5日以来の安値を付け た。輸出の不振と、信用市場の世界的なひっ迫を背景に、韓国が債務 返済のためのドル不足に陥るとの懸念が広がった。韓国銀行(中央銀 行)が19日発表したリポートによると、同国が2009年に返済期限 を迎える外貨建て債務返済額は245億ドル、うち104億ドルはこの 1、2カ月で返済期限を迎える。

ポーランド・ズロチは対ユーロで0.5%下落。朝方の取引では一 時3%上昇していた。チェコ・コルナは0.1%上昇。2月17日には、 コルナは2005年10月以来の安値まで下落、ズロチも米格付け会社ム ーディーズ・インベスターズ・サービスが東欧に子会社を置く銀行数行 の格付けを引き下げる可能性があると発表したことを受けて急落してい た。

ユーロは17日に対ドルで1.7%下落した。ムーディーズの発表 を受けて東欧の金融危機がユーロ圏の経済悪化を深刻化させるとの懸念 からユーロ売りが加速した。ユーロは年初来9%下落している。

ファッジオ氏は「この数日間、市場はユーロを投げ捨てていた。今 日は安心感から上昇に転じている」と語った。

ドイツ政府による救済

メルケル独首相は19日、ベルリンでの記者会見において、ユーロ 圏の金融危機緩和に向けて支援を行うかについて発言を控え、欧州諸国 の相対的な経済力について憶測しないと述べた。

シュタインブリュック独財務相は18日、記者団に対し、ユーロ参 加国が問題に直面すればドイツは「行動する能力を示す」と表明。また、 ユーロの崩壊を織り込むことは「愚の骨頂」と付け加えた。

ヘッジファンド、コンビナトリクス・キャピタルのポートフォリオ マネジャー、ラム・バーガバンチュラ氏は「ユーロがさらに値を戻すと は考えにくい」とし、「周辺諸国の経済は悪化している」と語った。

ドルはノルウェー・クローナに対して2.3%下落。オーストラリ ア・ドルに対しても0.8%下げた。安全資産としての需要が弱まるとの 観測が背景。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.6%低下 し、87.444となった。18日には88.254と、昨年11月21日以来 最高に達した。同指数は年初来で8%上昇している。

円はノルウェー・クローナに対して2.9%下落。対オーストラリ ア・ドルでも1.4%下げた。日本の投資家が海外資産の保有を拡大 するとの観測が広まったことが背景。財務省が東京で発表した2月14 日までの週の対外証券投資は1兆5444億円(164億ドル)と、 2007年9月以来の最高に達した。

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