TIBORじりじり低下続く見通し、日銀の金融調節は緩和の方向

銀行が企業に貸し出しする際 の基準金利となるTIBOR(東京銀行間貸出金利)はじりじりと 低下を続けるとみられている。日本銀行が企業金融支援特別オペを 強化するなど、資金供給量を拡大する方向に動いているためだ。

19日のユーロ円TIBOR3カ月物は前日より0.08ベーシ スポイント(bp)低い0.71%と、8営業日連続で低下した。日本 円TIBOR3カ月物も同0.17bp低下の0.72%と、いずれも 2007年6月以来の水準まで下がっている。

この日のユーロ円3カ月先物金利は、日銀が市場で期待され たようなターム(期日)物金利対策を打ち出さなかったことで上昇 (価格は下落)したが、TIBORは緩やかな低下を続ける可能性 がある。日銀が2月に入って金融調節姿勢を緩和しているためだ。

国内大手銀行の資金担当者は、準備預金の付利を延長したこ とでゼロ金利の思惑は生じづらいが、企業金融対策は大方打ち出し ており、ここからは金融調節のやり方が実態面で金利に影響を与え ると指摘。資金の「量」で利回り曲線を押し下げる政策はもう始ま っているとみる。

金融調節姿勢に変化

日銀はこの日の金融政策決定会合で、企業金融支援特別オペ を毎月2回から毎週1回に拡大した。同オペでは担保の範囲内で無 制限に0.1%のターム物資金が調達できる。国債の資金手当てを行 うレポ(現金担保付債券貸借)翌日物が0.1%台前半から半ばで推 移しているのに対し、モラルハザード(倫理の欠如)な政策との指 摘もある。

ただ、こういった企業金融支援特別オペに加え、日銀は日々 の金融調節でも資金供給オペを徐々に増やしており、日銀当座預金 残高の拡大は鮮明。レポや短めのターム物を中心に金利が低下して いる。需給が懸念される短期国債の買い切りオペも金融調節の判断 で増額される可能性はあるという。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、日銀の金融調 節姿勢の変化について、「政策委員会から何らかの指示があったと 思われる。オペの運営方針を微修正する必要を政策委員は感じたの だろう」と指摘している。

資金需要と政策対応

別の国内大手銀行の資金担当者は、TIBORの下げ渋りの 背景について、企業の業況悪化に伴う在庫資金など、運転資金の需 要増加が影響しているうえ、年度末は予備的な資金需要も高まりや すいという。ただ、年度末まで1カ月以内になれば銀行の資金手当 ても進むうえ、年度末を越えればTIBORは確実に低下するとみ ていた。

企業が設備投資を縮小するなか、前向きな資金需要の後退は 明らか。信用リスクの高まりからプレミアム(上乗せ金利)が根強 く残る可能性はあるものの、「いずれ大企業の資金需要も減少し、 借入金を返済する方向になる」(ABNアムロバンク・永井伸マネ ージングディレクター)として、TIBORも低下する方向だとい う。

一方、三菱UFJ証券の鹿野達史シニアエコノミストは、日 銀の政策対応について、「企業金融のミクロ面と、全体の金融緩和 を強化するマクロ面の両方でいかないとTIBORは下がっていか ないのではないか」として、3月のゼロ金利政策の復帰を予想して いる。

国内大手銀の担当者によると、TIBORを金融調節で下げ ることが可能なのか、本当に下げるべきなのか、議論しているとこ ろではないかという。

日銀の白川方明総裁はこの日の定例会見で、ターム物金利は 欧米に比べて十分低いと指摘している。政策金利が日本とほぼ同じ 米国のドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)3カ月物は

1.25%程度で推移しており、日本に比べて利回り曲線の傾斜がき つい。

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