東京外為:円が6週間ぶり安値圏、日本の政策対応の遅れ懸念-93円台

東京外国為替市場では円が対ドル で約6週間ぶり安値圏でもみ合った。米国が住宅ローン支援など金融 危機克服に向けた政策を打ち出すなか、政治の混迷で日本の政策対応 が遅れるとの懸念が円の上値を抑えた。

ドル・円は1ドル=93円台半ばから後半を中心に推移。久々の円 安水準ということで国内輸出企業などの円買い需要も観測され、午後 には一時、93円31銭まで円が強含む場面が見られた。

ユーロ・円も一時的に1ユーロ=117円31銭まで円高に振れる場 面も見られたが、日中の大半は117円台後半で取引された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプ レジデントは、ユーロ域内の金融不安に加え、「日本もGDP(国内 総生産)以降、政治も含めてファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条 件)の弱さが露呈し、ドルが独歩高で買われる流れになっている」と 説明。「東京時間は多少スピード調整的な動きとなったが、ドルは底 堅く、ドル・円は時間をかけて大きくドル高方向にかじを取って行く 可能性もある」と語る。

日本への不信

オバマ米大統領は18日、規模750億ドル(約7兆200億円)の住 宅支援計画を発表。ローン返済に苦しむ数百万世帯の支払い減額、フ ァニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵 当公社)の役割強化を柱に、過去最大に膨れ上がった住宅差し押さえ の抑制を図る。

米政府が経済・金融危機の震源となった住宅市場の本格支援に動 く一方、昨年10-12月期のGDPが約34年ぶりの減少率となった日 本では政治的混乱を背景に政策対応能力への不信が高まっており、「避 難通貨としての円買いニーズが大きく後退している」(住友信託銀行 マーケティングユニット・松本三郎チーム長)。

こうしたなか、前日の海外市場では円が対ドルで一時、93円96 銭と1月7日以来の安値まで下落。対ユーロでは一時、118円4銭ま で円安が進み、この日の東京市場でも118円ちょうど前後をうかがう 場面が見られた。

日本銀行の白川方明総裁は19日の定例会見で、日本経済の落ち込 みは「急激かつ大きい」とした上で、先行きも「極めて不確実性が高 い」として、1-3月と4-6月の実質GDP成長率についても「厳 しい姿を想定している」と語った。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、企業金融支援の一環とし て買い入れ方針を表明していた社債について、シングルA格以上の格 付けを対象に、上限1兆円で実施すると発表。また、コマーシャルペ ーパー(CP)の買い入れと企業金融支援特別オペレーションの期限 をそれぞれ9月末まで延期することを決定した。政策金利は据え置い た。

ユーロの上値が重い

一方、東欧発の金融不安がくすぶるなか、ユーロは対ドルで上値の 重い展開が継続。前日の海外市場で付けた昨年11月下旬以来の安値、1 ユーロ=1.2513ドルからは値を戻したものの、1.2600ドル手前では戻り 売り意欲が強かった。

住友信託銀の松本氏は、東欧新興国から米国への資金逃避はしば らく続く可能性が高く、来月には欧州中央銀行(ECB)の利下げが 見込まれるなか、「金利差面からもユーロは軟調地合いにある」と指 摘。「ユーロ・ドルは1.25ドルの節目にかなり近づいており、もう一 段下値トライの可能性がある」とし、ECB会合までは全般的にユー ロが軟調に推移するとみている。

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