日本株(終了)小反発、円安好感でトヨタや東芝見直す-業績警戒重し

東京株式市場では、日経平均株価 が4営業日ぶりに小幅反発。米国の住宅支援策の発表を受けた為替相場 の円安進行を好感し、トヨタ自動車やホンダ、東芝など輸出関連株を中 心に見直しの動きが広がった。ソニーは8営業日ぶりの上昇、東証1部 の業種別33指数では、輸送用機器が上昇率首位だった。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジストは、「企 業業績の悪化でこれからどこまで減配や無配企業が出てくるかおびえる 中で、東京市場の心のよりどころはPBR(株価純資産倍率)しかな い」と指摘する。きのうのPBR0.85倍に対し、昨年11月や今年1 月に日経平均が下げ止まったのは0.87-0.88倍だったとし、「PBR から見て、日本株は売り込めない水準まで下げた」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比23円21銭(0.3%)高の7557円65 銭、TOPIXは2.33ポイント(0.3%)高の751.59。東証1部の売 買高は18億6012万株、売買代金は同1兆1649億円。値上がり銘柄数 884、値下がり707。東証業種別33指数は値上がり13、値下がり20。

売られ過ぎ示す短期テクニカル指標

日経平均はきのうまでの7営業日で6日間下げ、直近12営業日の 騰落状況を示すサイコロジカルラインは3勝9敗。25日移動平均線か らのかい離率もマイナス5.6%と、短期的な売られ過ぎを示すマイナス 5%を超えていた。昨年10月安値を除けば、日経平均は7500円近辺 で底入れすることが多く、「1回リバウンドしてもいい水準」(アイデ ィーオー証券ディーリング部の菊池由文部長)との声が聞かれた。

こうした見方を背景に、足元の下げで相場の悪役を演じていた3大 赤字銘柄では、東芝が前日比変わらずを挟み5日ぶり、ソニーが8日ぶ り、野村ホールディングスが6日ぶりに反発。5月の増産観測が高まっ ているトヨタは6日ぶりの高値となり、「先行きが暗い中でも、来期に 向け前向きな経営姿勢を示す企業は株価が反発するきっかけになる」と、 岡三アセットの伊藤氏は話した。

輸出関連株を支援した材料が円安。18日に米国のオバマ大統領は 住宅差し押さえ抑制を目指し、規模750億ドル(約7兆200億円)の 住宅支援計画を発表した。安全投資としての円への需要が弱まるとの観 測が広がり、円は対ドルで6週間ぶりの93円台後半まで下落。「今回 の対策で消費者心理が改善し、住宅価格が下げ止まれば、経済全体への 波及効果も大きく、今回の対策はポジティブにとらえられる」(しんき んアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長)という。

円安効果も限定との声

ただ、売買代金は低迷したままで、朝方の買い一巡後は伸び悩み。 市場参加者が少ないことを映し、日経平均の1日の値動きはわずか105 円にとどまった。米国では連邦公開市場委員会(FOMC)が経済成長 率予想を下方修正し、1月の鉱工業生産指数や住宅着工件数も低迷、景 気と企業業績に対する警戒は根強い。「売上高が減少する中では円安効 果も限定され、かつてのように円安イコール輸出企業の株高にはつなが りにくい」(GCSAMの佐藤博最高投資責任者)との見方もある。

GCSAMの佐藤氏によると、「日本株は相当調整が進んだが、今 まで見たことがないような決算内容では、日経平均は7500円近辺で当 面閉塞状態が続かざるを得ない」という。来期は上場企業全体の最終損 益が赤字に転じ、2002-03年ごろのようにPER(株価収益率)が再 び算出できなくなる危険性がある、と佐藤氏は見ている。

船井電やヤマハ発急伸、日信工やリンテック安い

個別銘柄では、来期の黒字化確度が高まるなどと評価し、クレデ ィ・スイス証券などが格上げした船井電機、2010年12月期からの収 益回復を予想し、日興シティグループ証券が投資判断を上げたヤマハ発 動機がともに大幅高。来期業績に明るさが見えた銘柄への投資意欲がう かがえた。太陽電池モジュール製造設備事業のグローバル展開を加速さ せる、と日刊工業新聞社が報じた日清紡が上げ、金価格の続伸が刺激と なった松田産業やアサヒプリテックも続伸。

半面、ホンダの生産調整の終息が待たれるとし、野村証券金融経済 研究所が格下げした日信工業、バリュエーション面から割安感がないと して大和総研が格下げしたリンテックがともに大幅安。UBS証券が格 下げしたJR西日本は約9年ぶりの安値となった。モルガン・スタンレ ー証券が目標株価を引き下げたJTは52週安値を更新。東証1部値下 がり率上位には、エービーシー・マート、バルスなどが入った。

マザーズは4カ月ぶりの6日続落

国内新興市場もそろって小安い。ジャスダック指数の終値は前日比

0.03ポイント(0.1%)安の41.98と反落。東証マザーズ指数は1.32 ポイント(0.4%)安の302.16と4カ月ぶりの6日続落、大証ヘラク レス指数は0.86ポイント(0.2%)安の470.18と4日続落した。

個別銘柄では、個人の大株主が発行済み株式の11.46%まで取得し たことが分かったフィスコが連日で値幅制限いっぱいのストップ高。シ ンガポールの投資会社とアドバイザリー契約を締結したアセット・マネ ジャーズ・ホールディングスもストップ高で、第三者割当による新株式 (優先株式)発行の中止を決議したGDHも急伸。

半面、足元の既存店売上高がマイナス圏で推移するビー・アール・ サーティワンアイスクリームの株価が小幅続落。売買代金上位ではジュ ピターテレコム、ACCESS、サイバーエージェント、ダヴィンチ・ ホールディングスが下げた。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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