訂正:円が安値圏もみ合い、日本不信で逃避的買い需要が後退

東京外国為替市場では円が対ドル で約6週間ぶり安値圏でもみ合っている。住宅ローン支援策など米国 の政策対応が好感される一方、日本では政治の混迷で景気対策が遅れ るとの懸念がなど日本に対する不信感が高まっており、円は上値の重 い展開が続いている。

ドル・円の1ドル=93円半ばから後半で推移。前日の海外市場で は一時、1月7日以来の水準となる93円96銭までドル高・円安が進 む場面が見られた。

住友信託銀行マーケティングユニットの松本三郎チーム長は、「全 般的にドルが堅調という動きだが、その背景では日本の経済成長率の約 34年ぶりの大幅マイナスと財務・金融担当相辞任といったことがあり、 政策対応が重要な時期において不信感が高まっている」と説明。「避難 通貨としての円買いニーズが大きく後退している」と指摘する。

また、東欧発の金融危機が深刻化するとの懸念がくすぶるなか、 ユーロも対ドルでと上値の重い展開が継続。前日の海外市場では一時、 1ユーロ=1.2513ドルと昨年11月下旬以来の水準までユーロ安・ド ル高が進行。この日の東京市場でも1.25ドル台で推移している。

日本の政策対応能力に不信感

オバマ米大統領は18日、規模750億ドル(約7兆200億円)の住 宅支援計画を発表。ローン返済に苦しむ数百万世帯の支払い減額、フ ァニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵 当公社)の役割強化を柱に、過去最大に膨れ上がった住宅差し押さえ の抑制を図る。

米商務省が18日に発表した1月の住宅着工件数(季節調整済み、 年率換算、以下同じ)は前月比17%減少の46万6000戸と、市場予想 を下回り、統計が開始された1959年以降で最低となった。先行指標と なる1月の住宅着工許可件数も4.8%減の52万1000件と予想を下回 った。

米国が経済・金融危機の震源となった住宅市場の本格支援に動く 一方、日本は週初に発表された2008年10-12月期のGDP(国内総 生産)が大幅マイナスとなったが、財務相の辞任など政治的混乱が深 まっており、政策対応能力への不信感が高まっている。

大和証券SMBC金融市場調査部のチーフFXストラテジスト、長 崎能英氏は、米国が矢継ぎ早に対策を出す一方、日本は不安定な政局を 背景に新たな対策が打てない状況であるため、ドル買い・円売りが進み やすい、と語る。

円はユーロに対しても軟調で、前日の海外市場では一時、1ユー ロ=118円4銭まで円売りが進行。19日の東京市場でも118円台をう かがう展開が続いている。

ユーロが対ドルで軟調

欧州中央銀行(ECB)のビニ・スマギ理事は18日、ユーロ圏経 済は「第2次世界大戦以降で最も深刻な危機に直面している」との認 識を示した。ECBは今月、政策金利の据え置きを決定したが、欧州 新興国の金融不安が西欧にも波及するなか、3月の利下げはほぼ確実 視されている。

住友信託銀の松本氏は、東欧新興国から米国への資金逃避はしば らく続く可能性が高く、ECBの利下げが見込まれるなか、「金利差 面からもユーロは軟調地合いにある」と指摘。「ユーロ・ドルは1.25 ドルの節目にかなり近づいており、もう一段下値トライの可能性があ る」とし、3月のECB会合までは全般的にユーロが軟調に推移する とみている。

--共同取材: 曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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