フラワーズ氏:新生銀、欧米投融資の行き過ぎ認める-ヒポなど(2)

米富豪J・クリストファー・フラ ワーズ氏は、自ら率いる米投資ファンド、JCフラワーズ(JCF)が 筆頭株主の新生銀行について、米国と欧州への投資が行き過ぎだったと 語った。

フラワーズ氏は電話取材に応じ、「今にして思えば、海外投資の規 模は大き過ぎた」と述べる一方、「その当時は突出した動きには思えな かった」と語った。

新生銀行は、破たんした米リーマン・ブラザーズ・ホールディング スへの融資や、JCFを通じたドイツの商業用不動産金融大手ヒポ・レ アルエステート・ホールディングへの投資などに絡み10億ドル(約 940億円)余りの貸倒損失・評価損を計上した。

フラワーズ氏によれば、新生銀は米リップルウッドを中心とした投 資組合に売却された後の6年間、黒字を計上。新生銀はJCFに投資資 金を委託したものの、投資使途に関してはフラワーズ氏らに自由裁量が 認められていたという。新生銀とフラワーズ氏の双方とも、同投資資金 の金額は明らかにしなかった。

こうしたJCFを通じた取引の1つは、ヒポの24.9%株式の約11 億3000万ユーロでの取得だった。

フラワーズ氏は、新生銀の取締役を務めているが、JCFに関係 する投票からは外れていると述べた。

ノウハウや人脈を持たず

アトランティス・インベストメント・リサーチのエドウィン・マ ーナー社長は「新生銀は海外投資を行うためのノウハウや人脈を持って いなかった」と説明した。

元マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長の大前研一ビジネ ス・ブレークスルー社長は、昨年ブルームバーグテレビジョンとのイン タビューで、日本のバブル崩壊後、政府が銀行の不良債権処理に7兆 9000億円を注ぎ込んだ結果、納税者の懐は空になったと指摘。一方、 JCFなどから成る投資組合は、2000年に1210億円で日本長期信用 銀行を買収した後、2回の増資で少なくとも5550億円を調達し、少な くとも4倍の利益を上げたという。大前氏は「こうした投資家は銀行の 経営ではなく、利益を上げることに関心があった」と指摘した。

一方、フラワーズ氏は、JCFが筆頭株主になった後の9年間、新 生銀はJCFとの「多くの」取引に関与したと述べた上で、「全体とし て取引は新生銀とJCFの双方にとって非常にプラスだった。われわれ が短期的な利益を狙っていると取りざたされる理由が私には分からな い」と語った。

不良化した投資資産

JCFや米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントは、海 外投資を通じて日本の銀行に損失を被らせたとして批判されている。サ ーベラスが実質的に経営権を握るあおぞら銀は先週、09年3月期連結 決算の純損益が1960億円の赤字となるとの見通しを明らかにした。

あおぞら銀は、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン や米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の金融関連会社GMA C、米ナスダック・ストック・マーケット(現ナスダックOMXグルー プ)のバーナード・マドフ元会長が関与したとされる巨額詐欺事件など に絡んだ海外投資で損失を被った。

過去の負の遺産の一掃

昨年11月に新生銀行の社長に復帰した八城政基氏(80)は、海外 投資の失敗の理由について、同行のリスク管理が不十分で、身の丈以上 に投資を拡大したことに加えて、リーマンが破たんに至る兆候を読み切 れなかったと説明した。

八城社長は昨年12月のインタビューで、「できる限り過去の負の 遺産を一掃する」と強調した。前社長のティエリー・ポルテ氏は、08 年4-9月期連結決算が純損失になった責任を取って退任した。株価は 過去1年間で77%下げている。

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