モルガンS証の大橋氏:企業の資金繰り二極化、低格付けは一段と困難

モルガン・スタンレー証券債券調 査本部長の大橋英敏氏は18日、ブルームバーグ・ニュースとのインタ ビューで、今年後半以降に高格付け企業の資金繰り問題は解消されてい く半面、業績に不透明感のある中低位の格付け企業は資金調達が一段と 困難となり、二極化が強まるとの見方を示した。

社債市場の現状について、投資家の需要が低迷し、リスク許容度 が低下していることを挙げ、「シングルA格でも起債しづらく、最低で もダブルA格という状況。過去の社債価格の下落が著しく、企業業績の 底入れ感がまだ見られない。今後の格下げ、業績下方修正、株価下落の 可能性は否定できず、社債価格の下落リスクが残っている」と語った。

大橋氏は、中期的な企業の資金繰りについて、「トヨタ自動車のよ うなキャッシュが潤沢で格付けが高いところは、生産・在庫調整が終了 すれば、業績の着地点が見えてくる。09年7-9月以降にかけて、企 業の資金需要は大幅に減少に転じ、資金繰りの問題はなくなると思う」 と述べた。

半面、格付けの低い企業に対しては、「業績の底入れ感がみられる か不透明。格下げになれば、資本市場での資金調達が困難になり、銀行 の与信枠も制約される。そういった状況が、09年度の中盤以降、顕在 化してくると思う。中低位の格付けの一般事業法人に対してはネガティ ブ」との見方を示した。

社債買い取りの影響は限定的

日本銀行の社債買い取り策に関しては、シングルA格以上の残存1 年未満の社債が対象になるとの見方が出ている。「シングルA格以上は 支援されるとしながらも、対象となっていないシングルAより低く、ト リプルBまでで、残存3-4年程度に需要と供給のミスマッチが大きく、 起債需要が強い」と指摘。「日銀の買い取りによる影響は、ネガティブ ではないが、限定的だろう」と語った。

一方、日銀や日本政策投資銀行によるコマーシャルペーパー(C P)買い取りについては、「目先は、売上高が急減し、在庫が積み上が り、短期資金の調達意欲が強いので、ポジティブ。CP金利は低下して おり、低位安定している」と評価した。

さらに、「日銀・政府の政策として、今後、中小企業だけでなく、 中堅・大企業で格付けの低いところの長期資金の調達支援を考えていく ことがテーマになる」と説明した。

エルピーダメモリ、東芝など半導体業界の業績悪化に関しては、 「景気敏感な製造業で、最終需要低下と業績悪化を放置すれば、大幅な 格下げや破たん懸念が高まっていく。産業再生法をベースにした一般事 業法人に対する公的資金注入が模索されており、早晩実施されると理解 している」と述べた。

その上で、「再編はどの業界で起こっても不思議ではない。国内だ けでなく海外企業との再編・統合の可能性も否定できない」と語り、業 界として、総合電機、化学、鉄鋼、自動車業界などを挙げた。もっとも、 「デフォルト(債務不履行)リスクは限定的」とみている。

一方、公的資金注入の法整備、リスク管理厳格化、クレジット・デ フォルト・スワップ(CDS)といったリスクヘッジなどを挙げ、「高 格付けの銀行に対してはポジティブ」との見方を示した。

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