日本株は反発へ、円安進み輸出関連に見直し買い-海運も上昇公算

東京株式相場は、日経平均株価が 4営業日ぶりに反発する見込み。外国為替市場で円安が進んでおり、企 業業績の悪化を下支えするとの期待からトヨタ自動車や東芝など、輸出 関連中心に見直し買いが入りそう。運賃市況の続伸を受けて商船三井な ど海運株も上げ、公共投資関連株への投資人気も継続しそうだ。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米 国株は好材料と悪材料が並存した。ただし、円安の進展は輸出企業にと って価格要因での競争条件が緩和されることから、日本株にとって大き い」と見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の18日清算値は 7585円で、大阪証券取引所の通常取引終値(7580円)に比べて5円高。

円が対ドルで6週ぶり93円台

18日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で上昇、6週 間ぶりに1ドル=93円を突破した。オバマ大統領が住宅差し押さえ抑 制を目指し、規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発 表。安全投資としての円への需要が弱まるとの観測が広がった。円は対 ユーロで3日ぶりに下落。東京時間早朝では、1ドル=93円台後半、 1ユーロ=117円半ばでの動きとなっている。

オバマ米大統領が発表した住宅支援計画では、ファニーメイ(連邦 住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が保有する 住宅ローン最大500万世帯分の借り換えを支援。米財務省は両住宅金 融公社の優先株もそれぞれ最大2000億ドル買い取る。同省の発表によ ると、買い取り規模は従来表明されていた額の2倍に引き上げられた。

野村証の若生氏は、「今回の円安が米国に対する信認の回復か、日 本に対する失望かで株価へのインパクトは変わってくる」と指摘する。 今後の為替の落ち着き水準を見極めることが必要としながらも、「円高 修正は輸出関連の業績に対する逆風が弱まる」(同氏)という。東芝や ソニーなど電機株は、52週安値を連日更新して株価水準が低くなって いる銘柄が多く、自動車でもトヨタの増産観測が高まっているだけに、 輸出関連には買いが入りやすそうだ。

また、海運株も高くなる見通し。ばら積み船の運賃指標となるバル チック・ドライ指数は18日に前日比4.8%高と急伸。日興シティグル ープ証券では18日付リポートで、「今後も需要の低迷は続くであろう が、供給調整も進み始めている」と指摘。商船三井、日本郵船、川崎汽 船の大手3社の投資判断の「1M(買い、中リスク)」を確認した。

実体経済悪化は重し

もっとも、足元では実体経済の悪化に歯止めがかかっていないこと から、上値も重そうだ。1月の米鉱工業生産指数は、前月比1.8%低下 したほか、1月の米住宅着工件数は前月比17%減と、統計が開始され た1959年以降で最低だった。連邦公開市場委員会(FOMC)が今年 の経済成長率予想を下方修正し、米国株市場は総じて下げた。

ホリコキャピタルマネジメントの堀古英司最高経営責任者(CE O)は、「ある程度のマクロ指標の悪さを市場は織り込んでいるが、そ れを上回る悪い数字が出ている」という。米主要3指数の18日終値は、 S&P500種株価指数が0.1%安の788.42、ダウ工業株30種平均は

0.04%高の7555.63ドル。ナスダック総合指数は0.2%安の1467.97。

一方、メリルリンチが行った投資家調査(2月)によると、日本を オーバーウエート(アンダーウエートを引いたネット)としている世界 の投資家は1月のマイナス15%から2月にはマイナス26%となり、ア ンダーウエート幅が拡大した。08年3月以来のアンダーウエートの大 きさで、「08年10-12月期の決算発表で赤字転落が相次いだ日本企 業は、他国企業よりも業績が悪いとの印象を与えた」(メリルリンチ日 本証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジスト)という。

住友電工や日水が高くなる見込み

個別に材料が出ている銘柄では、ゴールドマン・サックス証券が 「中立」から「買い」に引き上げた住友電気工業、メリルリンチ日本証 券が「アンダーパフォーム」から「買い」へ引き上げた日本水産が高く なりそう。2010年12月期からの収益回復を予想し、日興シティグル ープ証券が投資判断を上げたヤマハ発動機、10年3月期の黒字化確度 が高まるとして、クレディ・スイス証券が格上げした船井電機も上昇す る見込み。金融危機対策のための低利融資を活用する検討に入った、と 19日付の日本経済新聞朝刊が報じた日本航空も堅調に推移しそうだ。

半面、10年3月期は棚卸資産評価差による減益要因などが収益を 圧迫するとして、三菱UFJ証券が投資判断を「1(強い買い)」から 「3(市場平均並み)」へ下げた新日本製鉄が安くなりそう。当初予想 を上回る固定資産の減損損失を計上し、09年2月期の業績予想を下方 修正したタカキュー、1月に経営破たんした丸井今井に対する債権3億 1300万円について、取立不能、取立遅延のおそれが生じたレナウンは 下落が予想される。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE