東京外為:ドルもみ合い、米自動車再建計画は無難通過-海外見極め

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=92円台前半を中心にもみ合った。米自動車大手の経営 再建計画をめぐって、最悪の破たんシナリオは避けられる可能性が生 じたことから、リスクを敬遠した円買い圧力が緩和。午後の取引では 海外市場の反応を見極めたいとの意向から、値動きの乏しい展開が続 いた。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、米自動車大手の再建計 画は提出期限に間に合わなかったとすると、不透明感が高まる懸念も あったが、とりあえず「政府との交渉のたたき台」ができたというこ とで、無難に通過した感があると指摘。海外市場にかけては、米株を 中心に底入れ期待が醸成される可能性もあるとみている。

米自動車大手の最悪シナリオ回避か

注目されていた経営再建中の米自動車大手による中間報告では、 17日にゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが最大で計216 億ドル(約1兆9950億円)の追加支援が必要になる可能性があること を明らかにした。追加支援の規模は既に受けている公的融資の2倍以 上に上る。

GMは、最大1000億ドルの負担を伴う3つの破たんシナリオを検 討し、公的支援を受ける選択肢に比べて望ましいものではなかったと 説明している。

ガイトナー財務長官は、サマーズ国家経済会議(NEC)委員長 とともに「大統領の自動車作業部会を今週中に招集し、2社の再建計 画を分析するほか、両社の事業存続に必要なリストラに関しては政権 全体からあらゆる意見を募りたい」との方針を明らかにしている。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、米自 動車大手に関しては、破たんよりも公的支援を追加する方がコストを 抑えられるという見方に落ち着く可能性があり、「一安心」といった 感があると指摘。米国の株価指数先物がプラス圏で推移していること を背景に目先はリスク回避に伴う円買いが出にくいとみている。

米指標を見極めへ

米国ではニューヨーク連銀が17日に発表した2月の同地区の製造 業景況指が2001年の統計開始以来で最低の水準に低下するなど、リセ ッション(景気後退)が深刻化している。

ただ、この日の米国時間には、1月の住宅着工件数や鉱工業生産 指数が発表される見通しだが、ブルームバーグ・ニュースがまとめた 市場予想によると、前月から悪化度合いが鈍化する可能性がある。

新光証の林氏は、指標を見ると、前月比ではマイナス幅が少しず つ減っていくといった状況で、「心理的なドルの下支え効果」もあり 得るとみている。

ユーロの先安観くすぶる

一方、この日のユーロ・ドル相場は東欧で事業展開しているユー ロ圏金融機関の格下げ懸念を背景に、一時1ユーロ=1.2559ドルと、 昨年12月4日以来のユーロ安値を更新。しかし、午後の取引では急速 に下げ渋り、一時は1.2627ドルまで値を戻す場面もみられた。

前日の海外市場で一時1ユーロ=115円65銭と、12日以来の水準 までユーロ安・円高が進行していたユーロ・円相場は、東京市場では 116円台前半を中心に推移。午後には116円78銭までユーロ高・円安 が進んだ。

しかし、ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「引 き続きテーマはユーロ安」として、「ユーロ・ドルは1.25ドルの方向 を試しにいく」とみている。

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