債券は上昇、米債高や国内株安で買い-10年債は3週ぶり低水準(2)

債券相場は上昇(利回りは低 下)。世界的な景気懸念や東欧での金融不安を背景に前日の米債相場 が大幅高となったほか、国内では日経平均株価が約3カ月ぶり安値を 付けたことから買い優勢の展開となった。新発10年債利回りは一時、

1.245%と3週間ぶり低水準を付けた。

東京海上日動火災保険の岳俊太郎債券投資グループリーダーは 「米債高や株安を受けて先物はそれなりに上昇したが、現物は伸びが 鈍い。国内勢はポジション(持ち高)を増やすという感じではなく、 益出し売り圧力もある。相場が上値を抜けるには、日銀が期待以上の 緩和策を行うなどの材料が必要だ」と話した。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比28銭高の139円66銭 で取引を開始した。午前の取引終了前には41銭高い139円79銭まで 上昇して、日中ベースで1月23日以来の高値をつけた。その後はや や上げ幅を縮めて、結局は26銭高い139円64銭で引けた。3月物の 日中売買高は1兆4807億円。

世界的な景気悪化と金融システム不安を背景にした買いが債券相 場を押し上げた。みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケ ットエコノミストは、「経済政策や金融安定化策が期待外れに終わっ たことで、景気が一段と後退するとの懸念が強まっている。比較的安 全とみなされる国債に買いが入り、質への逃避が起こった」と言う。

17日の米国債相場は大幅上昇し、10年債利回りは3週間ぶりの 水準に低下した。東欧経済の悪化で欧州の銀行損失が膨らみ、世界的 にリセッション(景気後退)が深まるとの見方が広がり、逃避先とし て米国債が買いを集めた。一方、米株相場は大幅安となった。

米株安などを受けて、日経平均株価が続落したことも相場の支え となった。日経平均は前日比111円7銭安い7534円44銭で終了した。 一時は約3カ月ぶりに心理的節目とされる7500円を割り込んだ。

17日夕には中川昭一財務・金融担当相が急きょ辞任し、麻生政権 による政策運営の不透明感が強まったことも債券が買われた一因との 見方もある。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジ ストは「政治不安は、株式市場にとって短期的に一番嫌気される材料 なので、リスク回避ということで債券が買われる」と指摘していた。

もっとも、相場は次第に戻り売りなどで上値が重くなった。ドイ ツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「5年債利回りの節目 とされる0.7%割れを買い進む動きはまだ見られない。銀行が主要な 投資家層である中期ゾーンは、決算期末の接近で価格が高くなると益 出しの売りが出やすい」と説明した。

10年債利回りは一時1.245%

現物債市場で新発10年物の298回債利回りは、前日比3ベーシ スポイント(bp)低い1.25%で取引を開始した。直後に1.245%と、 1月27日以来およそ3週間ぶりの低い水準を付けた。いったんは2 bp低い1.26%にやや水準を切り上げたが、午後3時以降は3bp低い

1.25%で推移している。

中期債も堅調。2年物の277回債利回りは一時2bp低い0.36%に 低下した。新発2年債利回りとしては1月23日以来の低水準。午後3 時半前後からは0.37%で推移している。また、新発5年債利回りは朝 方に2bp低い0.70%まで下げた。

日銀が18、19日に開く金融政策決定会合では、社債買い入れの枠 組み公表のほか、企業金融支援特別オペなどの期限延長が打ち出される とみられている。市場ではターム(期日)物金利の低下観測も根強く、 こうした期待が中期債の支えとなっている。

ーー共同取材:宋泰允、池田祐美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama , Hidenori Yamanaka

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