日経平均7500円割れ、金融不安で銀行、不動産に売り-トヨタ堅調

午前の東京株式相場は続落し、日 経平均株価は約3カ月ぶりに心理的節目である7500円を一時割り込ん だ。景気低迷の深刻化を背景とする根強い海外金融不安から、みずほフ ィナンシャルグループなど銀行、保険やその他金融、証券といった金融 株、不動産株中心に安い。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、「景気は日 米とも悪く、企業業績も当然厳しいと見なければいけない。来期につい ては不確定要素が多く、なかなか予測が立たない」と話している。

日経平均株価の午前終値は前日比90円86銭(1.2%)安の7554 円65銭、TOPIXは6.59ポイント(0.9%)安の749.94。東証1 部の売買高は概算で9億2049万株、売買代金は同5391億円。値上が り銘柄数517、値下がり1036。東証業種別33指数の騰落状況は値上が り8、値下がり25。海運、ガラス・土石、輸送用機器、建設、精密機 器が上昇。鉱業、パルプ・紙、証券・商品先物、医薬品、不動産は安い。

景気と金融に厳しさ

景気と金融に対する不安が継続し、日経平均は昨年11月21日以 来となる7500円割れまで下げた。「ソニーや野村ホールディングスな ど有力銘柄が安値を更新しており、相場全体の底が入りにくい状況」 (リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長)。TOPIXは、昨年 10月27日の終値746.46を一時下回った。

米ニューヨーク連銀が17日発表した2月の同地区の製造業景況指 数はマイナス34.7と、2001年の統計開始以来で最低だった。3連休 明けの米国株市場は急落。中でも、「米国の金融安定化策は金額のめど すら立っていない状況の上、東欧での金融不安も深刻」(東洋証券の児 玉克彦シニア・ストラテジスト)として、銀行株は大幅安となった。根 強い金融不安が国内にも波及し、オリックスや野村ホールディングスが 52週安値を更新するなど金融株に対する売り圧力は強かった。

売り一巡後下げ渋る、トヨタに在庫調整期待

もっとも、日経平均は一時166円安までありながら、午前の取引 終了にかけて下げ渋った。焦点だった米自動車業界については、ゼネラ ル・モーターズ(GM)とクライスラーは提出期限の17日に経営再建 計画を米財務省に提出。なお状況は楽観できないものの、米株先物が堅 調に推移していることもあり、過度な不安は後退する格好となっている。

また、18日付の日本経済新聞朝刊によると、トヨタは5月の国内 生産台数を、2-4月の月平均に比べ約3割多い20万台規模に引き上 げる方針を固めた。4月までに、在庫を適正水準に圧縮可能と見ている という。東洋証の児玉氏は、「そもそも今回の企業業績の悪化はトヨタ の業績下方修正である『トヨタショック』から始まった。トヨタの在庫 調整がうまくいくなら、先行きに明るさが見えてくる」としていた。

野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストの試算では、 トヨタが国内生産を30%増加させる場合、波及効果も含めて鉱工業生 産全体は約3.0%増加する計算になる。また、自動車メーカー全体が生 産を30%増加させる場合、鉱工業生産全体は約6.8%増加するという。

王子紙やサッポロHが安い

個別に材料が出ている銘柄では、印刷用紙市況が予想以上に早く下 落するなどとして、UBS証券が投資判断を「中立」へ引き下げた王子 製紙や北越製紙がそろって3日続落。パルプ・紙は午前の東証1部業種 別下落率で2位だった。みずほ証券が格下げした塩野義製薬、米系投資 ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンが33.3%株式買い付 け提案を撤回したサッポロホールディングスも軟調。

建設株は高い、AOCHD急伸

一方、追加経済対策による公共工事の拡大期待から、建設株や一部 の素材株は高くなった。メリルリンチ日本証券は、9年間で最も大規模 な公共投資が予想されるなどと評価し、大成建設、清水建設、大林組、 鹿島の大手建設会社の投資判断をそろって引き上げた。同証では、太平 洋セメントと住友大阪セメントの判断も引き上げている。

傘下のアラビア石油がノルウェー領北海で油田権益を取得したAO Cホールディングス、みずほ証券が格上げした日本電気硝子は急伸。伊 藤忠商事によるTOB(株式公開買い付け)価格にさや寄せしたシーア イ化成は3日ぶりに売買が成立し、午前の東証1部値上がり率1位。

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