日本株(終了)日経平均は3カ月半ぶり安値、景気悪化や米自動車警戒

東京株式相場は金融株中心に下落 し、日経平均株価は3カ月半ぶりの安値となった。景気悪化や米自動車 大手の再建計画の不透明感から、信用リスクの再燃を警戒視する動きが 広がった。みずほフィナンシャルグループが約3カ月ぶりに一時200 円台を割り込み、オリックスやT&Dホールディングスが急落。運賃市 況の下落を受けて海運、鉄道利用者数の減少を受けて陸運株も安い。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「実体経済 の悪さに対する即効薬が見当たらない中で、日本の政策対応能力が問わ れている。市場は『スピード』を求めている」と指摘。さらに同氏は、 米国も抜本的な金融安定化期待には応えきれていないとした。

日経平均株価の終値は前日比104円66銭(1.4%)安の7645円 51銭と続落し、TOPIXは13.57ポイント(1.8%)安の756.53 と3日ぶりに反落。東証1部の売買高は概算で16億4330万株。売買 代金は同1兆170億円で、全日立会ではことし2番目の低水準。値上 がり銘柄数は324、値下がり1286。東証業種別33指数の騰落状況は、 ゴム製品を除く32業種が安い。

10月安値へひたひた、財務相辞意で悪い円安論も

景気と企業業績の悪化に歯止めがかからない中で、金融不安への警 戒から徐々に売りが増えた。17日に予定される米自動車大手の再建計 画提出期限などを前に買い手控えムードも強く、日経平均は目立った抵 抗力のないまま、終値ベースでは昨年来安値7162円を付けた10月27 日の翌日水準(7621円)まで迫ったことになる。

16日は米国株が休場となる中、ダウ欧州株価指数は前週末比

1.4%安の188.67と下落。英産業連盟が2009年の英GDPを3.3% 減と予想、昨年11月時点の1.7%減から下方修正したことが響いた。 日本でも、前期比年率で34年ぶりのマイナス幅となった10-12月期 国内総生産(GDP)に続き、「エコノミストは1-3月期もマイナス 幅が年率2けたを予測する向きが多い」(SMBCフレンド証券の中西 文行ストラテジスト)とされ、景気低迷の長期化が懸念されている。

しかし、国内の追加景気対策の具体化は中国や米国など海外から遅 れ気味で、「対策の道筋がはっきりしている海外から順番に景気が改善 すれば、日本株は最も自律回復が見込みづらい」(ちばぎんアセットの 奥村氏)との声があった。中川昭一財務相兼金融担当相の会見問題も危 機意識のない日本を再認識させる騒動で、それに伴う円安も「悪い円安 だ」と、奥村氏は言う。

中川昭一財務相兼金融担当相は17日午後、財務省内で緊急会見し、 衆議院で予算・予算関連法案が通れば、けじめとして辞表を提出したい との考えを明らかにした。ローマで開かれた7カ国財務相・中央銀行総 裁会議(G7)の会見で、ろれつが回らなかった問題が要因。

野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは、「麻生 首相の盟友であり、景気重視の経済政策を支えてきた中川財務金融相の 辞任は、麻生政権の基盤を一段と揺るがすことは必至。予算審議の遅れ に関する懸念も、金融市場の景況感を悪化させかねない」と話す。

米GM、クライスラーの再建策提出

国内に買い材料が見出しにくい中で、米自動車大手ゼネラル・モー ターズ(GM)と同3位クライスラーは、再建計画を17日までに政府 へ提出することを求められている。

報道機関によって再建計画に対する観測もさまざまだが、カブドッ トコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「経済合理性からの現実 策は企業規模をかなり小さくすること」と指摘。ただ、大量の失業者が 生まれれば、米経済にどこまで影響が広がるか分からないとし、「日本 の景気回復も遅れかねない」と危惧する。3連休明けの米国株市場を警 戒、リスク低減目的の株式先物売りが出やすかったと、同氏は見ていた。

政策期待で公共工事関連は高い

一方、政策期待から公共工事関連では急伸する銘柄も少なくなかっ た。政府・与党は追加経済対策に関連して公共事業の前倒し実施の検討 に入った、と17日付の日本経済新聞朝刊が報道。光ファイバー網整備 や公共施設の耐震化などが浮上しているという。

恩恵を見込む動きから、東証1部の上昇率上位には日本橋梁や松尾 橋梁などの橋梁株、巴コーポレーションや矢作建設工業、西松建設など の建設株、NIPPOコーポレーションなど道路関連株が多数並んだ。 このほか、横河ブリッジホールディングスやショーボンドホールディン グスは52週高値を更新した。ただ、個別での動きにとどまり、相場全 体や業種全体を押し上げるには力不足だった。

JR東海が急反落、ブリヂストは3連騰

個別の材料銘柄では、東海道新幹線のビジネス客の利用が急減して いることが嫌気されたJR東海が急反落。財務リスクの高まりを懸念し、 クレディ・スイス証券が格下げしたサンケン電気、09年12月期の利益 急減計画が嫌気されたパイロットコーポレーションも大幅安となった。 このほか、東証1部売買代金上位ではソニーや東芝、野村ホールディン グスなどが52週安値を更新。

半面、タイヤの市販用比率が高いことが業績抵抗力になるとし、ク レディ・スイス証が「アウトパフォーム」へ格上げしたブリヂストンは 3連騰。新型ハイブリッド車の販売好調が評価されたホンダは反発した。 株価急落などを受け、日興シティグループ証券が投資判断を上げたリ サ・パートナーズ、いちよし経済研究所が10年3月期の増益を予想し、 株価水準は割安と指摘したユナイテッドアローズは急伸。

新興3市場は下落

国内新興市場は下落。ジャスダック指数の終値は前日比0.69ポイ ント(1.6%)安の41.71と3日ぶり反落。東証マザーズ指数は5.45 ポイント(1.8%)安の305.57と4日続落。大証ヘラクレス指数は

3.08ポイント(0.7%)安の473.51と続落した。

個別では、自己株式の取得枠の拡大を16日に公表したナルミヤ・ インターナショナル、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる状況は解 消されたと発表したガンホー・オンライン・エンターテイメントがそれ ぞれ値幅制限いっぱいのストップ高。08年4-12月期の最終損益が黒 字に転換したアイ・ビー・イーホールディングスも急伸した。売買代金 上位ではミクシィ、デジタルアーツが上げた。

半面、09年3月期の連結最終損益が大幅な赤字に転落する見通し になったアルゼが上場来安値を更新した。売買代金上位では、楽天、サ イバーエージェント、ダヴィンチ・ホールディングスが下げた。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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