バルチック海運指数:年初来で147%上昇-資源国通貨の高騰示唆か

原料の海上運賃が年初来で2倍以上 に上昇している。ノルウェーの通貨クローネやオーストラリア・ドル、 カナダ・ドルの買いの好機かもしれない。

フェデレーテッド・インベストメンツ(米ピッツバーグ)で30億ド ル(約2800億円)相当の運用に携わるイハブ・サリブ氏は、海上運賃が 年初来で147%高騰しているのは、中国が導入した5800億ドル規模の景 気刺激策が今後、原料価格の押し上げにつながる証拠だと指摘する。こ のことは、資源輸出国にとって有利に働く可能性があるため、同氏はク ローネや豪ドル、カナダ・ドルを「活発に取引している」。

サリブ氏ら為替トレーダーは、このような判断材料として、世界の 原料輸送コストを示すバルチック・ドライ指数を利用し始めた。同指数 と、豊富な資源を保有するノルウェー、豪州、カナダの3カ国の通貨と の連動性が高まっている。ブルームバーグ・ニュースが集計したデータ によると、過去1年間のうち相関性を示した期間の平均は96%と、過去 10年間の84%から上昇している。

サリブ氏は「バルチック・ドライ指数は、歴史的に見て商品相場の 適切な先行指標だ。商品相場は現在、非常に低迷しており、長期的に見 て良好な価値を提供している。相場がいったん回復すれば、これらの通 貨も堅調に推移するはずだ」との見方を示す。同氏は投資内容の詳細に ついてはコメントを控えた。

バルチック・ドライ指数は、中国の景気刺激策に基づいた住宅や高 速道路、空港、電力網の建設への投資が国境を越えて影響を及ぼす兆し を示している。ドイツ銀行は1月20日、中国が2月28日までに景気て こ入れに向けた予算の約25%を拠出するとの見通しを示した。同銀は中 国の成長率は7-9月(第3四半期)から10-12月(第4四半期)にか けてマイナス2.3%に落ち込むものの、10-12月から2009年1-3月(第 1四半期)にかけてはプラス12%に回復すると予想している。

原油相場の反発

中国は銅と鉄鉱石の世界最大の消費国だ。中国の消費により、銅と 鉄鉱石の価格は年初来でそれぞれ約10%上昇。これらの資源の世界の生 産量の約10%を占める豪州とカナダに恩恵をもたらしている。ブルーム バーグ・ニュースがアナリスト34人を対象に実施した調査の中央値では、 ノルウェー最大の輸出品である原油の相場の10-12月の平均は1バレ ル当たり66ドルと、年初来平均である40.62ドルを上回ると見込まれて いる。中国は世界2位のエネルギー消費国。

米シティグループの為替戦略担当の世界責任者、ジム・マコーミッ ク氏(ロンドン在勤)は2月5日付リポートで「中国の回復が商品相場 の底入れにつながるとすれば、資源国通貨の重要な上昇要因になるはず だ」との見方を示した。

バルチック・ドライ指数に注目

米ゴールドマン・サックス・グループは、豪ドルが向こう半年間に

9.5%上昇し1豪ドル=0.71米ドルに、クローネは13%上昇し1米ドル =6クローネになると予想。カナダ・ドルについては、ほぼ変わらずの 1米ドル=1.25カナダ・ドルになるとみている。カナダ・ドルとバルチ ック・ドライ指数との相関性を示した期間は過去5年間のうち72%だっ た。

バルチック・ドライ指数は01年9月11日の同時多発テロ発生後、 11月7日に2年半ぶりの低水準まで下げた。その後8カ月間に3通貨は 平均9%上昇した。同指数は08年5月20日に過去最高水準の1万1793 に上昇。その後、7月にかけて3通貨は着実に下落。下期(7-12月) には豪ドルは27%、カナダ・ドルは16%、クローネは27%、それぞれ 下落した。バルチック・ドライ指数は08年に年間ベースで92%下落し たが、09年には2月11日に年初来高値の2055に達した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE