世界のゼロ金利傾向に乗り遅れるECB、リセッション深刻化も

欧州中央銀行(ECB)は今月、政 策金利の据え置きを決定した。ユーロ圏の債券市況からみて、この決定 は域内のリセッション(景気後退)をさらに深刻化させかねないようだ。

ECBのトリシェ総裁は5日、米連邦準備制度理事会(FRB)や 日本銀行に追随して政策金利をゼロ付近に引き下げるのは「不適切」だ との考えを示した。それでもドイツ国債2年物の利回りは、10年物との 比較ベースで1997年以来の低水準に低下。ECBもFRBや日銀に追随 せざるを得ないとの見方が投資家の間で強い様子を裏付けた。

TCWアセット・マネジメントの主任グローバル・ストラテジスト、 コマル・スリクマール氏は「ECBは現実を直視する必要がある、とい うのが債券市場のメッセージだ」と指摘。「ECBは適宜適切な対応を取 らなかった。可能な限り早くそして大幅な利下げを実施する必要がある。 非伝統的な措置の活用も検討し始めるべきだ」との考えを示した。

トリシェ総裁はこれまで、ユーロ圏経済が第2次世界大戦後最悪の リセッションに向かっているにもかかわらず、日米英当局と同じペース で利下げを実施することに難色を示してきた。

FRBは2007年9月に利下げを開始し、政策金利を計5ポイント引 き下げて0-0.25%とした。日銀も政策金利を0.1%、イングランド銀 行も1%にそれぞれ引き下げた。一方のECBは昨年7月の時点で利上 げを実施。10月以降は計2.25ポイントの利下げを行い、政策金利を2% としている。

利回り曲線のスティープ化

ECBが追加利下げするとの見方から、2年物ドイツ国債の利回り は急低下。10年債との利回り格差は6日に198ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)と、1年前の82bpから拡大(過去5年平均は72bp)。 このいわゆる利回り曲線のスティープ化は続くと、インベステック・ア セット・マネジメント(ロンドン)の世界債券責任者ジョン・ストップ フォード氏はみる。同氏は「経済データは悲惨で、ECBは対応を迫ら れる。あと1ポイント利下げできるだろう」と語る。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が13日発表したユーロ 圏の08年10-12月(第4四半期)実質GDP(域内総生産)速報値は 前期比1.5%減と、少なくとも過去13年で最大の落ち込みだった。国際 通貨基金(IMF)の1月28日の発表によると、今年の域内成長率はマ イナス2%となり、米国(同マイナス1.6%)を下回る見込み。

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